WHOが初めて台湾の防疫対策を「称賛に値する」と高評

 中国はこれまで「台湾の同胞たちの健康と幸せを守ることに非常に誠実である」と繰り返し述べ、中国が台湾人の健康を守っていると主張してきた。しかし、今回の武漢肺炎でこのウソがバレた。武漢肺炎の数少ない効果の一つと言ってよいだろう。

 WHOは台湾を「中華人民共和国の領土の不可分の一部である」という中国の政治的主張を受け入れ、武漢肺炎の状況報告(Situation Reports)には台湾の感染者数などの情報を中国の一部として掲載している。

 しかし、台湾の防疫対策は独自のもので、それも迅速かつ的確だったため、未だに感染者数は420人、死者6人(4月19日現在)と少ない。それも感染者ゼロの日が4月14日、16日、17日となってきている。国内感染者ではなく、帰国者がほとんどだ。

 さすがにWHOも、台湾のこのほぼ完璧な武漢肺炎の抑え込みを無視するわけにもいかず、4月17日に開いた記者会見で「緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、台湾は『称賛に値する』とし、『非常に良い公衆衛生の対策を取った』とコメントした」という。

—————————————————————————————–WHOが台湾のコロナ対策を称賛 外交部、「完全な形で参加」求める姿勢強調【中央通信社:2020年4月19日】https://japan.cna.com.tw/news/apol/202004190002.aspx

(台北、ブリュッセル中央社)新型コロナウイルスの感染拡大で、台湾の防疫対策への評価が世界的に高まる中、世界保健機関(WHO)の幹部が17日、台湾を称賛する立場を初めて示した。外交部の欧江安報道官は18日、台湾の「完全な形」によるWHOへの参加は、台湾とWHO、国際社会がそれぞれ利益を得られる「トリプルウィン」につながると述べた。

 WHOが現地時間17日にスイス・ジュネーブで開いた会見で、台湾の排除に対する批判の高まりについて記者から指摘が上がった。これにテドロス事務局長は応じず、感染症専門家マリア・ファンケルクホーフェ氏が、台湾とは情報交換をしていると回答。緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、台湾は「称賛に値する」とし、「非常に良い公衆衛生の対策を取った」とコメントした。一方、法務を担当するスティーブ・ソロモン氏は、台湾の参加については加盟国が決める問題で、職員に決定権はないとの見方を示した。

 欧報道官は、WHOが台湾の感染防止策を肯定的に評価したとこれに言及。ただ、これまでの対応から、WHOが政治的な配慮による制限を受けていることは証明されているとし、台湾はその結果、理不尽で差別的な扱いを受けてきたと指摘した。

 また、中国政府は台湾を統治したことは一度もなく、国際組織で台湾人を代表する権利はないとした上で、台湾人によって選ばれた政府こそが、WHOで台湾人の代表を務める権利を持つと説明。民主的な社会でも効果的な感染対策を取れると証明した「台湾モデル」の経験を国際社会に伝えたいとの考えを示した。

(陳韻聿、唐佩君/編集:楊千慧)

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