TGT三角海域を守れ!―海上自衛隊の新たな対中戦略と民間有志の台湾建国支持運動

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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海上自衛隊が「TGT三角海域」と呼ぶ東京(T)、グアム(G)、台湾(T)を結ぶ三角形の海域は、海上輸送路も通うなど日本の死活に関わる戦略上きわめて重要なエリアで、絶対国防圏と呼んでも過言ではない。

だがそれと同時にそこはまた、中国海軍が二〇二〇年までに制海権を争奪すべしとの戦略目標を掲げる、兵家必争の地にもなっている。

中国軍にとり、そこは台湾攻略戦に際して米空母機動艦隊の来援を阻止する作戦海域であり、またここを制覇して初めてアジア、大洋での覇権を確立することができると考えている。

〇九年六月、グアムと台湾との間のほぼ中間に位置する沖ノ鳥島付近で中国の水上艦船が演習を行ったが、それはすでにその海域の調査を、あの国が完了していることを物語るものだった。そして一〇年四月、潜水艦を含む十隻による同島付近での演習である。こうした動きを目の当たりにし、平和ボケに陥っていた日本側も、ようやく強い危機感を抱くに至ったわけだ。

そうしたなか、東京新聞(一月十三日)が伝えるところによると、中国軍の潜水艦への常時監視など、この海域の監視強化が「中国への警戒感を打ち出した新「防衛計画の大綱」に基づく、海上自衛隊の新たな対中国戦略」になることが明らかとなった。

海自は「艦艇や航空機に加え、新たに潜水艦も活用した統合的な運用で、TGT三角海域に進出してくる中国の潜水艦を常時監視する態勢を確立する。これまでは偶然、見つけた潜水艦を追尾してきたが、今後は第1列島線を越えた潜水艦の行動をすべて捕捉することを目標にする」という。

遅きに失したとはいえ、こうした中国軍の脅威への対応は有効に違いない。だがここで大きく懸念されるのは、中国側がこうした事態に備え、早くから展開してきた対日工作が、やがて効果を発揮するのではないかということだ。

中国軍がこの三角海域の一角である台湾を攻撃し、米軍が戦闘に介入するに当たり、その後方支援を行うのが自衛隊だが、長年にわたって中国に籠絡され(飼い慣らされ)、あの国にモノが言えなくなってしまっている政治勢力が世論を煽り、自衛隊の出動に反対する可能性があるのだ。

「台湾は中国領土の一部であり、日本は中国の内政問題に干渉してはならない」との、中国の政治宣伝そのままの理由でだ。

かつて「救国的自立外交私案」なるものを書き、「中国の国内問題とする立場を取るのか、それとも台湾を防衛するための米軍の行動を支援するため、『周辺事態法』に基づいて自衛隊を派遣するのか。私は、在日米軍の活動には制約を加えないが、こと中台問題に関しては自衛隊の関与は避けるべきだと考えている」と主張した政治家がいたが、それが今日首相に就任している菅直人氏だ。この人物に至っては現在、自衛隊の出動を拒否する権限を握っている。

政界、マスコミ、世論から、こうした「台湾は中国の一部」とする言説に対し、ほとんど批判の声が上がらないのは、誰もが「そのとおりだ」「およそそういうものだ」「いつかはそうなるものだ」などと思い込んでいるからだろう。

「中国に配慮し、そういうことにしておこう」と考えるものも実に多い。私が〇九年、自民、民主、公明、社民、共産の各政党本部に対し、「台湾は中国の一部か否か」に関する見解を調査したところ、自民、民主は「一部」とは言わなかったが、「一部ではない」とも断じて言わなかった。他の三党は「一部だ」と言い切った。

中国の宣伝圧力の威力がいかに恐るべきものであるかが、これでわかるだろう。

だが台湾は「中国の一部」などでは決してない。中国は、日本は台湾を中国(当時は中華民国)に「返還」したと主張し、それを台湾領有の根拠としているが、そのような事実はない。

日本は台湾を放棄したが、それをどこの国にも割譲していないというのが国際法上の事実である。よって台湾の地位は台湾住民の自決を待たなければならないのである。

試みにこうした「台湾の地位未定」の事実を中国側に突きつけたら良い。あの国は血相を変えて怒ることとなるが、それは反論できないからなのだ。

たしかに事実として、中華民国なる中国政権が日本の「返還」というフィクションに基づいて今も台湾に存在しているが、あれはそもそも内戦に敗れて逃れた亡命外来政権。今後は住民自決で「中国」とは無関係の台湾国を建国することが、台湾人にとっても日本の安全にとっても望ましいと思えるのだが、日本人は「一つの中国」の宣伝に惑わされ、こうした戦略的思考すらできずにいる。

そこで日本李登輝友の会や台湾研究フォーラムなど民間有志の台湾支持団体が、国内を覆う中国の危険な宣伝を打破するため、「台湾は台湾。断じて中国の一部ではない」という事実を訴える活動を展開しているのである。

これまで世間からは「台湾ファンによる台湾独立建国運動への支援活動」などと思われてきたが、実際には「台湾ファン」以外のすべての日本人も参与すべき「日台同盟推進運動」であり、「第一列島線防衛運動」「TGT三角海域防衛運動」とも言うべきものなのである。

最近は、中高の社会科教科書に台湾を中国領と記載させている文部科学省の教科書検定への改善要求運動などを進めているが、これもまたつまるところ、中国の宣伝工作に従う文部科学省から日本の子供たちを救い出すという国防運動なのだ。



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