口頭弁論が行われた。101号法廷にはほぼ満席となる100名ほどの傍聴者がつめかけ、結審
が予想された控訴審の行方を見守った。
驚いたことに裁判長が替っていた。第1回は設楽隆一裁判長だったが、昨日の第2回は須
藤典明裁判長に替っていた。裁判長交替の理由は定かではないが、小田村四郎・日本李登
輝友の会会長ら控訴人の訴訟代理人をつとめる高池勝彦弁護士を団長とする弁護団にも寝
耳に水だったようで、一様に驚きの波紋が広がった。
口頭弁論では、控訴人の訴訟代理人を代表して尾崎幸廣弁護士がNHK側の答弁書に対
する反論の要点を10分ほど述べた。
すると須藤裁判長は「今の反論の中で『見せ物』と『人間動物園』が異なるという指摘
があったが、高許さんの権利侵害とどうつながっていくのか、その辺がどうなっていくの
かが気になる。捏造でくくるのが適切なのかどうか、法的などういう権利が侵害されたの
かを主張されるのであれば、(主張されたらどうか)と思う」と述べた。
一方、被控訴人のNHK側に対しても「編集権があるというのはその通りであろうと思
うが、やはり合理的な内容が前提でなければならない。事実かどうかということは若干問
題があるが、(高許月妹さんへの取材時には)人間動物園という言葉は少なくとも使われ
ていなかった。使われていない言葉を画面にかぶせて放送することは(視聴者の)皆さん
にどういう効果を持つことになるのか。そういった観点から、NHKとしては取材を受け
る人に対する説明義務をどう考えているのか聞きたい」と述べた。
その上で、高許月妹さんを証人申請しているが、台湾もかなり南の方から来日するのも
大変だし、もう一度、双方の主張を聞いてからそれを判断したい旨を述べ、双方に確認。
双方とも主張するとの返答をもって第3回口頭弁論の期日が確定し、第2回口頭弁論は3時50
分に閉廷した。
裁判長が交替した結果、予想していなかった第3回口頭弁論が開かれることになり、控訴
人(原告)弁護団の嬉しそうな様子とは逆に、NHK側の弁護団の苦虫をかみつぶしたよ
うな様子が印象的だった。
◆NHK「JAPANデビュー」裁判控訴審 第3回口頭弁論
日 時:平成25年8月8日(木) 午後3時30分〜
会 場:東京高裁101号法廷