日 時:平成25年8月8日(木) 午後3時30分〜
会 場:東京高裁101号法廷
NHK「JAPANデビュー」訴訟控訴審は、本日(8月8日)午後3時30分から第3回口
頭弁論が開かれる。
5月30日の第2回口頭弁論では、第1回(4月23日)の設楽隆一裁判長から藤典明裁判長に
交替していたので驚かされた。理由は弁護団にも不明だという。
ただ、須藤裁判長は、私ども控訴人側からNHK側の答弁書に対する反論を述べたこと
に対し、高許月妹さんの権利侵害を法的に説明するよう次のように求めた。
<今の反論の中で「見せ物」と「人間動物園」が異なるという指摘があったが、高許さん
の権利侵害とどうつながっていくのか、その辺がどうなっていくのかが気になる。捏造で
くくるのが適切なのかどうか、法的などういう権利が侵害されたのかを主張されるのであ
れば、(主張されたらどうか)と思う。>
一方、被控訴人のNHK側に対しても、「人間動物園」という放映時の表現について、
取材の時には使わなかった言葉を放映時に使う場合、視聴者への効果や高許月妹さん自身
に対する説明義務をどう考えるかと、次のように求めている。
<編集権があるというのはその通りであろうと思うが、やはり合理的な内容が前提でなけ
ればならない。事実かどうかということは若干問題があるが、(取材時には)人間動物園
という言葉は少なくとも使われていなかった。使われていない言葉を画面にかぶせて放送
することは(視聴者の)皆さんにどういう効果を持つことになるのか。そういった観点か
ら、NHKとしては取材を受ける人に対する説明義務をどう考えているのか聞きたい。>
このような東京高裁からの要望に応じ、高池勝彦弁護団長らは高許月妹さんの人権侵害
について法的な説明をするため、新たに人権問題の専門家を招いて検討し、8月1日付で
「準備書面」を提出した。NHK側も8月1日付で「準備書面」を提出している。
この準備書面提出をもって、本日の第3回口頭弁論で審理を終了するのか、はたまた須藤
裁判長は前回、「控訴人は高許月妹さんを証人申請しているが、台湾もかなり南の方から
来日するのも大変だし、もう一度、双方の主張を聞いてからそれを判断したい」と述べて
いるので、高許月妹さんを招くことになるのか、その判断が注目される。
なお、昨年12月14日に第一審判決を受けたものの、控訴の準備期日が14日間という短期
間であったため、控訴審の原告は、パイワン族37名(高許月妹さん、陳清福さん、華阿財
さん他、第一審同様の皆さん)と日本人原告団代表5名(小田村四郎、水島総、柚原正敬、
永山英樹、井上敏治)に限らせていただいている。