馬英九政権が産地偽装問題を楯に日本からの輸入食品に関する規制を強化

日本側の懸命な説明は受け入れられず、台湾では本日(5月15日)より日本からの輸入食品に関
する規制を強化する。NHKの報道によれば「通関の検査が厳しくなっているため、入荷までの時
間がこれまでより長くなっている。検査が終わった時点で賞味期限が切れているという商品も一部
に出てきている」という現地スーパーの声を伝えている。

 すでに本誌でも指摘したように、3月下旬に発覚した日本からの輸入食品の産地偽装問題と放射
線残留問題とは関係ない。放射線残留に対する日本の基準は、世界基準はもとより、EUやアメリ
カよりもはるかに厳しい。

 交流協会台北事務所は昨日、「表示偽装問題と食品安全(輸入規制強化問題)は別々の問題」と
したうえで、「広く台湾の皆様にも日本産食品の安全性を説明し、皆様の理解を得たいと思い、す
でに台湾当局に提出済みの資料の一部」を公表した。

 これは、農林水産省食糧生産局が作成した「日本における食品の安全性確保」という資料で、冒
頭に放射性セシウムの基準値を掲げている。一般食品の放射性セシウム基準値は、国際基準である
CODEXでは1キログラム当たり1,000ベクレル、EUは1,250ベクレル、アメリカは1,000ベクレ
ル。これに対して日本はなんと100ベクレムという厳しい基準を採用しているという。

 表示偽装問題を楯に、食品安全問題の解決を避けるかのような馬英九政権の対応には不信感を抱
かざるをえない。嫌がらせだという指摘が日本でも台湾でもでている。改めて李登輝元総統の感想
をご紹介したい。「あれは日本が嫌いな馬英九が、他にやることがないからやっているだけだ」。

◆日本産食品の安全性に関する説明資料の公表について【交流協会台北事務所:5月14日】
 http://www.koryu.or.jp/taipei/ez3_contents.nsf/Top/9AB0599F55085F8B49257E45002D0377?OpenDocument


台湾、日本食品の輸入規制強化 産地証明義務付け
【日本経済新聞:2015年5月15日】

【台北=山下和成】台湾当局は15日から、日本産の食品に対する輸入規制を強化する。すべての食
品に都道府県別の産地証明書を添付することを義務付けるなど厳しい内容だ。東京電力の福島第1
原子力発電所事故による放射線の影響など「食の安全」への懸念が台湾で広がっていることが背景
だ。

 日本の農林水産物・食品の台湾向け輸出額は2014年で837億円で、香港、米国に次いで3番目に多
い。台湾は福島原発の事故発生後に福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県の食品輸入を禁じた。15
日から残る42都道府県の食品でも産地証明書の添付が必要となる。

 一部は放射線検査の証明書も必要となる。対象は(1)宮城、岩手、東京、愛媛の水産品(2)東京、
静岡、愛知、大阪の茶類(3)宮城、埼玉、東京の乳製品など――だ。

 ただ、台湾当局は14日、産地証明書は日本政府だけでなく、自治体や農協、漁協などが発行した
ものも認めると発表した。15日から日本の食品輸入が完全に停止する事態は避けられるとみられ
る。


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・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


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