青森李登輝友の会、青森日台交流会合同DVD観賞会&新年会報告

青森李登輝友の会事務局

1月27(土)、青森市内で日本李登輝友の会青森県支部(略称・青森李登輝友の会)、青
森日台交流会の合同DVD鑑賞会&新年会が開催されました。

 去る17年4月23日(日)、6月11日(日)に青森日台交流会、青森李登輝友の会がそれ
ぞれ設立されました。二つの会は理念がともに「日台共栄」であることと、中心のメンバ
ーも同じ方が多いことから、また今回のDVD観賞会に多くの方々に来ていただきたくて、
合同開催することになりました。

 濡れ雪の天気でしたが、30名弱の参加者が集まってくれました。県外からも、北海道か
らは野村様、秋田からは佐藤様、宮城県からは宮城支部の金山事務局長、埼玉からは本部
の永山英樹理事、台湾李登輝学校の卒業生の佐々木様は岩手からなど、遠いところから駆
けつけて参加していただきました。本部の永山英樹氏は観賞するDVDの解説を担当して
いただきました。

 まず、第1部のDVD鑑賞会を青森県国際交流協会のラウンジにおいて午後1時半から行
いました。青森支部の事務局長中西功さんは台湾語学留学中のため、司会は事務局次長の
出町淑貴さんが務めました。

 開会に先立ち、出町淑貴さんが二つの会が合同開催する経緯と、去る17年7月20日に二
つの会が一緒に大間の天妃祭を参加したレポートや、日本李登輝友の会の第6回李登輝学
校や天灯ツアーの案内、入会案内、そして旅行会社JTBの青森発着チャーター便の案内
など、会場で配布した資料を説明しました。

 そして開会です。主催者を代表して、青森県会議員で日本李登輝友の会理事の大見光男
支部長が挨拶いたしました。大見支部長の挨拶は次のようなものでした。

 「私は3回くらい李登輝先生と会ったことがある。李登輝先生は、日本人より日本の心
を持っている。それは、いま日本で失われかけている『武士道』『日本精神』です。李登
輝先生から、一度でいいから奥の細道を歩みたいという話を聞かされ、その時が来たら、
ぜひ案内したい。また、日本の政治家は台湾の大切さを分かっていない。理解していない。
台湾は日本の生命線だ。今日これから観賞するDVDはまだ見てはいないが、『日台共栄』
の重要性はやはり多くの方々にも理解していただきたい」

 「私の住む大間町には海の女神である媽祖様が祀られている。大間では『天妃様』(て
んぴさま)という称号だ。今から300年前から大間の神社で祀られてきたが、最近になって
やっと『天妃様』が台湾で信仰される『媽祖様』(まそさま)であるということが、調べ
によって明らかになりました。そして『天妃様』と認識して祀りだしたら、翌年はマグロ
が大漁となった。それで大間のマグロが日本一になって、全国に知られるようになった。
大間の漁師さんは、これは『天妃様』の恵みだと信じています。皆様一度大間に来て、日
本で唯一台湾の祭と調和したお祭りに参加してほしい。きっと自分の目で見れば、感動す
ると思う」

 その後、本部理事の永山英樹氏が台湾のことがよく分からない方々のために、これから
鑑賞するDVD「台湾民主化の道」について分かり易く、丁寧に説明してくれました。話
の要旨は以下の通りです。

 「台湾の民主化は、中国から来た中国人政権の独裁体制の終焉によって、台湾の民が台
湾の主になったこと。無血革命という形で成功したことは奇跡。もし李登輝一人がいなけ
れば達成されなかったことからも奇跡といえる。2・28事件、白色テロで李登輝氏を抹
殺せず、そして彼を副総統にまで抜擢したことは中国人政権の致命的なミス。この奇跡は
日本にも幸いした。民主化という中国からの切り離しがなければ、蒋経国亡き後、中国人
政権は平和統一に応じたかもしれない。要衝台湾が中国のものになれば日本が危なくなる。
李登輝氏が日台が運命共同体と強調するのはその意味だ」

 「中国人は李登輝氏を『日本人』と罵るが、たしかにかつては日本国民だった。民主化
は中華文明以外のものを原理としたもの。アメリカからの思想的影響によるだけではない。
日本時代にもたらされた近代国家理念、近代国民意識があったから、李登輝氏は改革を行
い、それを国民が支持できた。そうして無血革命は成功した。日本は台湾が同じ価値観を
持つ隣国であることを喜ぶべきだ」

 「総統になった李登輝氏が、権力闘争に長けた中国人支配者層といかに戦い、実権奪取
に成功したかがこのDVDの主な内容。なお、作品は李登輝氏の政界引退までを描いてい
るが、その後は李登輝氏は台湾正名、制憲運動を進めている。それを見れば、民主化が最
終的には何を求めるものかがわかるはずだ。日本人である私たちは以上のような認識の上
に立ってこの作品を見たらどうだろうか」

 観賞会終わっていから約30分くらい、永山さんの追加説明と質疑応答が行われました。
参加者からは、「解説」があったからDVDの内容がよく分かりましたと感銘する方もい
ました。

 二つの会の会員や愛台湾、愛日本の方々のおかけで、DVD鑑賞会は成功と言っていい
でしょう。

 観賞会終了後、参加者へのお土産として、出町淑貴次長手作りの台湾料理、茶葉蛋(味
付けたまご)が配られました。

 第2部の新年会は、青森駅前の居酒屋「魚民」に移動して午後4時半から行いました。
青森支部副支部長で青森日台交流会会長の江坂庄一さんの挨拶と乾杯の音頭で新年会は賑
やかに始まりました。

 戦前の台湾生まれの江坂さんの挨拶は台湾新幹線の話から始まって、日本は、台湾、中
国との付き合い方などで、約15分にもわたりました。この話には共鳴する方々も多くいた
ようです。その後、お酒が充分まわったあたりで、産経新聞の福田徳行青森支局長、JT
B青森支店のEC担当リーダー高瀬幸逸さん、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するた
めの青森の会」事務局長の成田義人さん、NPO法人夢アジア理事長新岡正博さんを始め、
参加者の皆様がそれぞれひとりずつ自己紹介や抱負などを述べられました。

 そしてそれが終わって、ささやかな楽しみである新年会抽選会です。ジャンケンで勝負
して商品を選んでいただくという方法で開催されました。商品の中身は、英霊にこたえる
会の宮内さんが提供した靖国参拝カレンダー2つと、台湾出身戦歿者慰霊の会代表の飯田
義人さんが提供した台湾観光協会が作成した台湾カレンダー2つ、宮城支部事務局長の金
山富彦さんが提供した仙台名物「かまぼこ」3つ、コーヒーセット1つ、林建良先生の著
書『日本よ、こんな中国とつきあえるか?』2冊などでした。ジャンケンで勝った方も負
けた方も、みな楽しそうでした。最後は「台湾万歳」三唱で閉会しました。

 なお、以下は中西事務局長が台湾から寄せたメッセージです。当日の会場では時間の都
合でどうしても披露できませんでしたので、ここに掲げます。
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 皆さま、本日は大変にお忙しいなかお集まりいただき本当にありがとうございます。
 現在、日本と台湾の間の交流は大変活発に行われております。
 日本に来る外国人観光客の5人に1人は台湾人ですし、台湾に来る外国人観光客の2人
に1人は日本人です。
 また、青森から輸出されるりんごの95%が台湾向けなど、経済交流も盛んです。
 しかし、これから上映するDVDを観賞した皆さまが新たな台湾を発見し、日台間の交
流が更に深まればと思っております。
 このDVDは、台湾の近現代史を「民主化」という視点から捉えたものですので、戦前
の日本統治時代の部分を除いてほとんど日本が関与していない時代の内容です。
 このようなDVDに台湾人がわざわざ字幕をつけ、日本人に見せたいと考えた理由は、
登場する台湾人の『大和魂』を日本人に見せたかったからだ、と私は思っています。
 「戦後の台湾を暗黒の時代から民主化させていったのは『大和魂』を持った台湾人だ」
ということを日本人に思い出してもらいたかったからだと。
 ところで、台湾の民主化の道はまだまだ始まったばかりです。
 例えば、「現在の憲法は中華民国憲法だから台湾憲法を作成しなくてはいけない」と感
じる大学教授や民間団体が、今年に入って相次いで憲法草案を発表しています。
 また、今まであえて目をつぶってきた、日本統治時代の功罪の功の部分や228事件に
ついて、歴史の教科書へ記載するなど、政府主導での積極的な開示・検証が行われていま
す。日本の隣国である台湾でこのように民主化がどんどん発展していくことは、喜ばしい
限りです。
 私たちはこのような隣国との絆をますます強くしていきたいと考えておりますので、今
後の活動につきましても、御参加・御協力をよろしくお願いいたします。
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 今回のDVD観賞会と新年会に参加いただいた方々をはじめ、受付、カメラ、照明など
担当してくれた北海道の野村さん、マレーシア国籍の李さん、出町さんの同僚の竹内さん、
本部の永山さんに感謝申し上げたいと思います。皆様のおかけで「成功」することが出来
ました。
 今後も皆様に支えられながら、皆様と一緒に「日台共栄」「日台交流」「正名運動」を
進めていきたいと思います。宜しくお願い申し上げます。
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■この報告は青森日台交流会のブログに掲載されています。その他にも、興味深い記事が
 満載ですので、下記からご覧ください。                (編集部)

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