台湾は現在、2011年の東日本大震災に伴う原発事故の影響を考慮し、同年3月25日より福島県、
群馬県、栃木県、茨城県、千葉県の5つの県で生産されたすべての食品の輸入を禁止している。
しかし、台湾メディアの伝えるところによると「行政院農業委員会と衛生福利部は7日、立法院
社会福利及び衛生環境委員会で、日本の食品の輸入に関する報告を行った。農業委員会の陳吉仲・
副主任委員はこの中で、これら5つの県の食品を全面的に輸入禁止としているのは世界で台湾、中
国大陸、香港、マカオのみだと説明、『管理を強化し、安全な輸入を行う』という原則に基づき、
5つの県で生産された食品に対しては従来の『地区に基づく制限』から、『リスクに基づく制限』
へと改める方針を明らかにした」(11月7日「台湾国際放送」)という
この方針に基づいて、11月12日から3日間、合計10か所で公聴会を開くこととし、12日の初日は
雲林県と高雄市、13日は桃園市と新北市などで公聴会を開催した。14日は花蓮などで開くという。
ところが、新北市では「反対する地元の議員などが会の無効を訴えて説明を遮り、ほかの参加者
との間で怒号が飛び交うなど騒然としました」とNHKニュースが伝えているように、各地で大荒
れになったという。
しかし、よく考えていただきたい。そもそもこれまで5年以上、「地区に基づく制限」という規
制を設け、「リスクに基づく制限」、つまり科学的根拠に基づかない制限を設けてきた馬英九政権
の方針がおかしいのではないだろうか。なにがなんでも5県の食品は輸入を禁止するというのは、
あまりにも理性を失した規制だったと言える。
現実に、福島県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県の5つの県に住む日本人は、放射能検査を実
施して、地元の食品を食べている。5県のみならず、東京をはじめ多くの日本国民が5県の食品を食
べている。それだけでも安全性が保障されていることになる。
ましてや、5県の食品を全面的に輸入禁止しているのは「世界で台湾、中国、香港、マカオの
み」というのであれば、台湾の規制基準に問題があるのではないかと疑うのが常識的な判断ではな
いだろうか。
中央通信社は、ある国民党の県議会議員の「われわれは(東日本大震災発生時に)62億台湾元
(約207億円)の義援金を送ったのにも関わらず、放射能で汚染された食品を返されるのは、兄弟
のような両国の関係をひどく傷つけるものだ」という発言を紹介している。これもまた感情的な反
発で、5県の食品が「放射能で汚染された食品」なのかどうかは、科学的根拠を示さなければ説得
力に欠ける。
台湾 原発事故後の食品輸入緩和で公聴会混乱
【NHKニュース:2016年11月13日】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161113/k10010767491000.html
台湾の当局は、東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと続けている日本の5つの県からの食
品の輸入規制を緩和する方針を明らかにしたことを受けて、公聴会を開きましたが、反対する人た
ちが会の無効を訴えて騒然となるなど混乱が続きました。
台湾は、福島第一原発の事故のあと、福島、茨城、千葉、栃木、群馬の5つの県で生産された食
品の輸入を停止していますが、民進党政権は今月7日、福島以外の4つの県からの食品は一部を除い
て輸入を認めるなど、段階的に規制を緩和する方針を明らかにしました。
これを受けて当局は12日から3日間の日程で合わせて10か所で公聴会を開くことを決め、このう
ち13日に北部の新北市で開かれた公聴会にはおよそ100人が集まりました。
最初に当局の担当者が規制緩和の内容や食品の安全性を確認する仕組みについて説明しようとし
たところ、反対する地元の議員などが会の無効を訴えて説明を遮り、ほかの参加者との間で怒号が
飛び交うなど騒然としました。その後も、食品の安全に対する影響への懸念や、公聴会を開く期間
が短すぎるなど批判的な意見が相次ぎ、一部の参加者が担当者に詰め寄ってやり取りが断続的に中
断するなど混乱が続きました。
台湾の当局は、各地の公聴会で出た意見を参考に、緩和の具体的な時期などについて慎重に検討
すると見られますが、参加した40代の男性は「健康に関わる問題なので慌てて決めないでほしい」
と話していました。
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・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
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