3月24日に開かれた自民党国会議員でつくる「保守団結の会」の勉強会に招かれた謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表は「台湾をめぐる国際情勢と台日関係」と題して講演し、日台関係を深化させるためには日台交流基本法のような法律制定が望ましいと述べた。
保守団結の会も謝長廷代表の訴えを受け、李登輝元総統ご生誕日の1月15日を「日台友情の日」にすることとともに「日台交流基本法」を制定することをなど、7項目に及ぶ「日台友情の更なる深化に向けた決議」を採択している。
謝長廷代表はまた4月1日、時事通信の単独インタビューを受け、「台湾との安全保障関係を定めた米国の台湾関係法と同様の法的措置を『日本も制定してほしい』と訴えたという。下記に時事通信記事をご紹介したい。
—————————————————————————————–台湾平和維持、日米声明に明記を 有事「日本も人ごとでない」─謝駐日代表【時事通信:2021年4月5日】https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040400236&g=int
米国が中国の台湾侵攻に警戒を強める中、16日に予定される日米首脳会談でも「台湾有事」が議題に上る見通しだ。台湾の在日大使館に当たる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は時事通信のインタビューで、有事は日本にとって「決して人ごとではない」と述べ、台湾の平和の維持を首脳会談の共同声明に明記するよう求めた。
謝氏は、日米が先の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で台湾海峡の平和の重要性を強調したことを歓迎。首脳会談に関し「声明の中で、中国の力による一方的な現状変更や台湾に対する侵入をやめさせ、地域の平和と安定を保つことを明言してほしい」と期待を表明した。共同声明に盛り込まれることで「(台湾人)みんなの心が強くなる」と語った。
台湾有事における日米の対応について、「もし台湾が侵略され、米国が何もせずに終われば、米国は世界のリーダーの地位を失うだろう」と述べた。日本は日米同盟に基づく米軍への支援が必要になるとした上で、日米台間の共同訓練や演習の経験がないのは「とても問題だ」と指摘。台湾との安全保障関係を定めた米国の台湾関係法と同様の法的措置を「日本も制定してほしい」と訴えた。
謝氏は「今や中国は力の信仰者だ。特に香港に対するやり方を見て台湾人は警戒心を強めている。一国二制度とか平和統一とか、中国の言うことは信頼できない」と主張。「台湾は固く民主主義を守るので、日本からの声援をこれからもお願いしたい」と話した。
また、「(中国にとって)今の敵は米国。次は日本だ」と述べ、「もし台湾が中国に統一されたら、日本も直接中国に対面しなければいけなくなる」と警鐘を鳴らした。
インタビューは1日に東京都内で行われた。
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