27日にハワイに立ち寄ることは報じられていたが、産経新聞は「ハワイでは米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のジェームズ・モリアーティ理事長が蔡氏を出迎え」「ヘリテージ財団の主催で、ガードナー上院議員、ヨーホー下院議員(いずれも共和党)とのビデオ回線を通じた公開対談も予定している」と伝えている。
コーリー・ガードナー上院議員は、上院外交委員会の東アジア等小委員会委員長を務め、昨年3月の「台湾旅行法」や12月の「アジア再保証イニシアチブ法」の上院提出者の一人。テッド・ヨーホー下院議員は下院外交委員会アジア・太平洋小委員会委員長をつとめ、去る1月、下院は世界保健機関(WHO)に台湾がオブザーバーとして復帰することを支持する法案を全会一致で可決しているが、その提出者。トランプ大統領の信頼も厚いフロリダ州選出の議員。いずれも親台湾派。どのような公開対談となるのか楽しみだ。
それにしても、国務省報道官は、蔡氏の米国立ち寄りについて「米国の長年の慣行にならうものだ」とした上で、「3つの共同コミュニケおよび台湾関係法に基づく米国の『一つの中国』政策に変更はない」と述べたそうで、中国の反発を予想して釘を刺す発言だ。最近、米国関係者には中国を牽制するこのような発言が少なくない。米国が中国を警戒している姿勢が細部の発言によく現れている。
—————————————————————————————–台湾の蔡英文総統がハワイに立ち寄りへ 米国務省が確認【産経新聞:2019年3月23日】
【ワシントン=黒瀬悦成】米国務省報道官は22日、外交関係のある太平洋諸国を歴訪している台湾の蔡英文総統が今月下旬にハワイ州に立ち寄ることを確認した。27日前後となる見通し。同省報道官は、立ち寄りは「個人の資格で非公式」なものであるとしている。ハワイでは米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)のジェームズ・モリアーティ理事長が蔡氏を出迎える。
米台の高官による相互訪問を促す「台湾旅行法」と、米高官の台湾訪問や定期的な武器売却を求める「アジア再保証イニシアチブ法」が昨年成立して以降、台湾の総統が米国に立ち寄るのは初めて。
米ブルームバーグ通信は21日、トランプ政権が台湾に性能向上型のF16V戦闘機66機を供与することを水面下で了承したと伝えており、このタイミングでの蔡氏の立ち寄りは注目を集めそうだ。
蔡氏は27日、政策研究機関「ヘリテージ財団」の主催で、ガードナー上院議員、ヨーホー下院議員(いずれも共和党)とのビデオ回線を通じた公開対談も予定している。
国務省報道官は、蔡氏の米国立ち寄りは「米国の長年の慣行にならうものだ」とした上で、「3つの共同コミュニケおよび台湾関係法に基づく米国の『一つの中国』政策に変更はない」とした。