台湾民意教育基金会の世論調査によれば、昨年5月に69・9%の高支持率を示してスタートした蔡英文政権だったが、7月:55.9%、9月:44・7%、12月38・0%と下がり、今年に入ってからも30%代が続き、8月にはついに29・8%と30%を切ってしまった。民放TVBSが6月22日発表した世論調査でも21%と最低を示していた。
本誌でも何度かお伝えしたように、株価や失業率、輸出率、経済成長率などは決して悪くはなく、むしろ改善されていると言ってもいい状況だったが、国内では一例一休問題や年金改革問題で批判が続出し、司法改革も期待以上に進まず、対外的には中国の圧力が追い打ちをかけ与党内からも弱腰との批判が出てくるほどだった。それが支持率に現れていた。
それが、「頼神」とも呼ばれる与党ホープの頼清徳・台南市長を行政院長に据えるや46.4%と、ほぼ昨年9月並みの支持率を回復した。その頼院長への支持率は69.0%の高支持率を示した。
◆財団法人台湾民意教育基金会による9月17日発表「?閣改組、總統聲望與政黨支持」https://www.tpof.org/%e5%9c%96%e8%a1%a8%e5%88%86%e6%9e%90/%e5%85%a7%e9%96%a3%e6%94%b9%e7%b5%84%e3%80%81%e7%b8%bd%e7%b5%b1%e8%81%b2%e6%9c%9b%e8%88%87%e6%94%bf%e9%bb%a8%e6%94%af%e6%8c%812017%e5%b9%b49%e6%9c%8817%e6%97%a5/
—————————————————————————————–蔡総統の支持率急上昇 頼清徳氏の行政院長起用が功奏す【中央通信社:2017年9月17日】
(台北 17日 中央社)非営利団体の台湾民意教育基金会が17日に発表した9月の最新世論調査結果によると、蔡英文総統の政権運営に対し賛同を示した人の割合は前月の29.8%より16.6ポイント上昇し、46.4%となった。同基金会の游盈隆董事長(会長)は、蔡総統が新しい行政院長(首相)に民衆から人気の高い頼清徳氏を起用したことが支持率上昇の主な要因だと分析している。
頼氏は今月8日、それまでの林全氏に代わって行政院長に就任。2018年度の予算案の再調整に着手し、12日、軍人、公務員、公立学校教員の給与を来年度から3%引き上げると決定した。
同基金会の調査によれば、蔡政権への支持率が上昇したのは今年2月以来で6カ月ぶり。頼氏の行政院長就任について賛同を示した人は69.0%で、約7割の人が支持していることが分かった。
調査は11日と12日、台湾に住む20歳以上の男女を対象に実施。有効回答数は1074件だった。
(呂欣ケイ/編集:楊千慧)