先般、4月30日に上院が全会一致、5月7日には下院が決議案を全会一致で「台湾に対する米国のコミットメントと台湾関係法の実施を再確認する決議案」を可決したばかりなのに、今度は国防総省が6月1日に「2019年インド太平洋戦略報告書」を発表し、台湾を「信頼でき、有能で、米国の自然なパートナー」としてシンガポール、ニュージーランド、モンゴルとともに挙げ、個別項目で台湾を取り上げて「強靭さと繁栄を続ける民主主義の台湾を支持する」と記しているという。
驚かされたのは、この「2019年インド太平洋戦略報告書」の目的が「台湾が安全で自信を持ち、脅迫から解放され、平和的かつ生産的に中国と対話できるようにすること」にあると結論付けていることだ。
この報告書では、インド太平洋地域の広範な取り組みの一環として台湾関係法を実施することも記しているそうで、つまり、台湾が中国の脅迫から解放されるためなら、米国は台湾への武器供与を含む自己防衛能力支援を惜しまないと宣言しているのだ。
大紀元紙が報じているので下記にご紹介したい。
—————————————————————————————–台湾と関係強化へ 米国防省、2019年インド太平洋戦略報告を発表【大紀元:2019年6月4日】https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/43398.html
米国防総省は6月1日、「2019年インド太平洋戦略報告書」を発表した。このなかで、米国は台湾について、地域のパートナーシップを強化する4つの「民主主義の国家の一つ」として取り上げた。
30ページの報告書のなかで、「インド太平洋地域の民主主義の社会がある地域に、シンガポール、台湾、ニュージーランド、モンゴルは信頼でき、有能で、米国の自然なパートナーである」「自由で開かれた国際秩序を維持するために積極的に行動を起こしている」と書いた。
さらに台湾について個別項目で、強靭さと繁栄を続ける民主主義の台湾に支持を示し、インド太平洋地域の広範な取り組みの一環として、台湾関係法を実施するという。しかし、中国が台湾に圧力をかけて「平和的な再統一を主張しているが、高度な軍事作戦の行使の可能性を排除していない」ことに警戒している。
中国は、武力による台湾統一の状況が勃発した際、第三国が介入しないよう「圧力、時間稼ぎ、阻止」といった手法で準備しているとした。さらに、台湾への圧力として、中国軍が海峡周辺の軍事練習や軍用機、軍艦の航行を増加させたと指摘した。
2018年、3カ国が台湾と断交し、中国と国交を結んだ。台湾は毎年5月にジュネーブで開かれる世界保健機関(WHO)総会に、17年から3年連続で、中国共産党政府による圧力で出席を阻まれている。日本や米国、ドイツ、オーストラリアなどは台湾の総会出席を支持している。
報告書は、米国の台湾に対する自己防衛能力支援について「台湾が安全で自信を持ち、脅迫から解放され、平和的かつ生産的に中国と対話できるようにすることを目的としている」と結論付けた。
この報告の発表と同じ日、シャナハン米国防長官代行はシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ会合)」で講演し、台湾関係法を履行し、引き続き、台湾の防衛能力強化を支持すると述べた。
シャナハン長官代行の演説を受けて、台湾外務省は、トランプ政権が同会議で3年連続して台湾関係法に言及していると述べ、「米国は、地域情勢の変化と台湾の安全保障を強調した」とコメントした。
台湾外務省はまたフェイスブック公式アカウントで、5月30日にコロラド州で開催された米空軍士官学校の卒業式の写真を掲載した。約900人の卒業生のうち1人は台湾出身者。中央社によると、式典会場には中華民国の旗が掲げられた。台湾出身の卒業生は、式典に参列したトランプ大統領と記念撮影し、握手を交わしたという。
(翻訳編集・佐渡道世)