係の基礎とすることを再確認する下院第88号決議案」を全会一致で可決した。
すると今度は、米国連邦議会下院が5月16日、「台湾関係法」と台湾に対する「6つの保証」を台
米関係の基礎とすることを再確認する「共同決議案」を可決したという。
外交委員会で可決した決議案を、さらに下院で可決することで、米国連邦議会の意思を明確に表
明したことになる。「6つの保証が記載された案が連邦議会を通過したのはこれが初めて」と中央
通信社が伝えている。下記にご紹介したい。
米下院の外交委員会が「下院第88号決議案」を可決したことを本誌でお伝えしたときに、台湾関
係法と「6つの保証」のポイントを記した。ご参考までにそれを再掲したい。
◇ ◇ ◇
台湾関係法は、米国が中国との国交樹立直後の1979年3 月、上下両院で可決し、ジミー・カー
ター大統領が4月10日に署名、1 月1 日に遡って発効させた18条からなる国内法だ。
この法律のポイントは第2条にあり、台湾に関して「平和手段以外によって台湾の将来を決定し
ようとする試みは、ボイコット、封鎖を含むいかなるものであれ、西太平洋地域の平和と安全に対
する脅威であり、合衆国の重大関心事と考える」【第2条B項(4)】とする米国の立場を明らかにし
た上で「防御的な性格の兵器を台湾に供給する」【第2条B項(5)】と定めたことにある。
米国が台湾への兵器供給を定め、台湾もそれを了としているということは、すなわち一種の軍事
協定といってよい。
その後、ロナルド・レーガン大統領時代の1982年7月14日、兵器供与に関して下記の「6つの保
障」を定め、台湾側に伝えている。
(1) 台湾への武器供与の終了期日を定めない。
(2) 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない。
(3) 中国と台湾の仲介を行わない。
(4) 台湾関係法の改正に同意しない。
(5) 台湾の主権に関する立場を変えない。
(6) 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない。
台湾支持の決議案、米下院で可決 蔡英文政権発足を前に
【中央通信社:2016年5月17日】
(ワシントン 17日 中央社)米下院は16日(現地時間)、「台湾関係法」と台湾に対する「6つ
の保証」を台米関係の基礎とすることを再確認する決議案を全会一致で可決した。6つの保証が記
載された案が連邦議会を通過したのはこれが初めて。
決議前には、共和党のエド・ロイス議員、民主党のエリオット・エンゲル議員らが、台湾は米国
のパートナーであるだけでなく、アジア地域の安定において重要な役割を果たしていると強調。米
国は民主主義の価値観を共有する台湾を支持しなければならないと訴えた。
また、昨年10月に同案を提案した共和党のスティーブ・シャボット議員は、今月20日の民主進歩
党・蔡英文主席の総統就任に言及し、中国は台湾で民主的な手続きによって選ばれた総統を尊重し
ようとしていないとして、遺憾の意を示した。
「台湾関係法」は、1979年の断交後の台米関係のあり方などを定めた米国の国内法。米国は同法
に基づき非公式に台湾との交流を続けている。
「6つの保証」は1982年に当時のレーガン政権が台湾側に示したもので、▽台湾への武器売却の
期限を設けない ▽台湾への武器売却について中国大陸と事前に協議を行わない ▽台湾と大陸の間
の調停を行わない▽台湾関係法の改正に同意しない ▽台湾の主権に関する立場を変えない ▽北京
当局と協議するよう台湾に圧力を加えないことを保証している。
決議案は連邦議会の立場などを示すもので、法案と異なり法的拘束力はない。
(鄭崇生/編集:杉野浩司)