会談で、オバマ大統領が台湾関係法に基づいて対応するとの米政府のこれまでの立場を繰
り返したことを高く評価し、台湾の馬英九政府がプレスリリースを発表した。下記に紹介
したい。
ここで取り上げたいのは「台湾関係法」のことだ。米国が国内法として「台湾関係法」
を制定したのは1979年。同年3 月に上下両院で採決し、4 月10 日にジミー・カーター大統
領が署名、そして同年1 月1 日に遡って発効させている。
米国は1979年1月1日に中華人民共和国と国交を樹立、当時の中華民国と断交した。しか
し、自由主義陣営としての台湾を防衛する必要があったことから「同地域の平和と安定
は、合衆国の政治、安全保障および経済的利益に合致」(第2条B項2)するとして「防
御的な性格の兵器を台湾に供給する」(第2条B項5)ことを定めたのが台湾関係法だ。
米国は、台湾を中国とは別個の存在とすることで、台湾や中国との外交を行うための法
的根拠を保持した。以来、米国はこの台湾関係法に基づき、共和党も民主党も政策綱領を
作成している。大統領も台湾関係法に従って発言する。それが習近平主席にも適用され、
結果的に牽制作用を果たしたということだ。
ところが、日本は米国と異なり、台湾と国交を断絶して以来、「非政府間の実務関係」
という枠組みの中、双方の善意を前提とした「取決め」を台湾と結び、国家間に匹敵する
交流を維持してきている。だが、米国の台湾関係法のような法的裏付けは一切ない。日台
関係は第三国の干渉を招きやすい非常に不安定な中にある。
そこで本会は、今年の政策提言として「我が国の外交・安全保障政策推進のため『日台関
係基本法』を早急に制定せよ」を提案したのである。
すでに有力国会議員などの賛同も得ており、交流協会や台北駐日経済文化代表処の反応
も上々だ。台湾要人の評価も高い。
米国同様、「同地域の平和と安定は、日本の政治、安全保障および経済的利益に合致」
している。本会は日台関係基本法の早期制定に向け、微力ながらも力を尽くしている。多
くの方々のご賛同とご支援をお願いしたい。
◆本会が日台関係基本法の制定に関する「政策提言」を発表[2013/4/25] http://melma.com/backnumber_100557_5808041/
中華民国は「オバマ・習」会談で米国が台湾に対する一貫した約束を表明したことを評価
【台湾週報:2013年6月11日】
外交部は6月9日、バラク・オバマ米国大統領と習近平・中国大陸国家主席が会談したこ
とに関して、以下のプレスリリースを発表した。
○ ○ ○
今回の「オバマ・習」会談における米国側の台湾に対する立場は明確であった。米国の
ベン・ローデス国家安全保障問題担当大統領副補佐官が6月8日(米国西部時間)に対外的
に説明した際、オバマ・米国大統領が会談の中で習近平・中国大陸国家主席に対して、米
国は台湾への自衛のために必要とするものを提供することを含む「台湾関係法」に基づく
台湾に対する一貫した約束はきわめて明確であると表明したほか、オバマ大統領が、米国
はここ数年間の両岸関係の進展を強く支持しており、この進展を双方が受け入れ可能な方
式で引き続き進められることを期待すると再度強調したことを明らかにした。米国のこれ
らの説明に対し、わが国政府は評価の意を示すものである。
台米は近年、双方の相互信頼が強化され、意志疎通のチャンネルもスムーズとなり、米
国当局からも慣例通りにわが国に「オバマ・習」会談についての連絡と情報提供があっ
た。わが政府は、米国が今後も引き続き「台湾関係法」および台湾に対する「6つの保証」
の約束に基づき、台湾の自衛能力向上を支援し、今後台米双方が引き続き「静かに、ゼロ
サプライズ」の原則を続けていくことで、両国の堅実、緊密な友好関係の向上が持続して
いくものと深く信じている。
【外交部 2013年6月9日】