航空便が17時30分にそれぞれ台湾から到着した。今年は11月5日までに11往復、22便が運航され
る。
秋田県庁によれば、秋田空港へのチャーター便運航は、佐竹敬久(さたけ・のりひさ)知事の
トップセールスによる働きかけだという。
佐竹知事は8月4日の記者会見で「毎年10月からのチャーター便の(運航スケジュール等が)決ま
るのが9月の初めですので、いつも今の時期に、最終の詰めの段階で私が行って、チャーター便に
ついてあちらのトップに要請をしています」と述べ、8月18日から21日まで訪台している。
少し調べてみると、佐竹知事は2009(平成21)年に知事に当選、翌年から毎年夏、チャーター便
誘客のため台湾を訪問している。今年で5年目となるが、それが奏功しているようだ。
ただ、今年の佐竹知事は1月にも訪台している。1月9日から11日の2白3日だ。この訪台は急遽決
まったようで、その理由を昨年12月24日の記者会見で以下のように明らかにしている。
<今回の訪問については、春以降の、冬のみならず大分春・夏のチャーター便も台湾からの、各県
がかなり競争状態になってございます。秋田は春・夏も大変素晴らしい、冬だけではない様々な観
光の芽がありますので、春・夏の誘客促進ということで航空会社を回ってきます。>
かなりの力の入れようだ。実は、この1月の訪台にはもう一つの目的があったという。それが、
秋田県スキー連盟と台湾スキー協会の友好協定締結だった。
本誌でもお伝えしたように、今年の8月19日、秋田県スキー連盟が台湾スキー協会と友好協定を
締結している。スキー団体同士の日台協定は日本初だ。佐竹知事はその背景についてもこの記者会
見で明らかにしている。
台湾からのスキー客がどんどん増えていて、すでに岩手県と青森県にはスキー専用チャーター便
が出ていたため、秋田県としてもこのスキーチャーター便を実現しようと、1月に訪台して働きか
けることを決めたという。それが8月の友好協定締結に至ったという。
佐竹知事は8月の記者会見でもこのことに触れ、以下のように説明している。
<あちらの方ではスキーはまだまだ特殊なスポーツですので、観光業者が送り込むんじゃなくて、
スキー協会がその協会の指導員も含めてセットするということで、スキー客の誘致もしやすい>
岩手県や青森県とは違った角度から、スキーチャーター便による観光誘客を考えての友好協定締
結だった。
佐竹知事はこの10月19日から今年3度目となる訪台を予定しているという。これは7月24日に秋田
銀行が「台湾・フィリピン経済交流ミッション」として案内しているが、「秋田銀行の業務提携先
である中國信託ホールディング(台湾)とメトロポリタン銀行(フィリピン)が持つネットワーク
を活用し、政府機関への訪問(台北・高雄、マニラ)、現地企業との個別商談会(台北)、市場セ
ミナー(マニラ)など本県と両地域の経済交流の拡大」のため、台湾とフィリピンを訪問するの
で、佐竹知事も主催者として訪台の予定だという。
自治体による日台交流は実利がなければ長続きしない。その点で、観光客の相互訪問が増えるこ
とは重要ポイントの一つであることは間違いない。ただし、さらに長い目で見れば、相互訪問に若
い世代を取り入れることも必要になってくる。
千葉県の森田健作知事は10月25日から6日間の日程で訪台し、特に教育旅行に重点を置いてア
ピールするつもりだという。
都道府県の特徴はそれぞれ異なるものの、日台の将来を担う青少年交流という視点から、秋田県
でも今後はぜひ台湾修学旅行に力をいれていただきたいものだ。