去る7月15日、16日、マグロで有名な青森県大間町において天妃(媽祖)祭が開催され
ました。本誌で何度か参加募集の案内を掲載したこともあり、昨年に倍する20名が参加
しました。
日本李登輝友の会本部からは永山英樹理事(青森県支部担当)と片木裕一理事が参加
していますが、同じく理事で秋田県支部準備会代表の千葉文士氏、台湾李登輝学校卒業
生の飯田義人氏や小田浩氏なども参加しています。
昨日、阿貴こと出町淑貴さん(青森日台交流会事務局長・青森李登輝友の会事務局次
長)がそのレポートをブログで発表していますので転載してご紹介します。長文ですので
2回に分けて掲載します。
なお、ブログでは写真をたくさん掲示して、楽しかったお祭りの様子を伝えています
ので、こちらもぜひご覧ください。 (編集部)
■ブログ「青森日台交流会&青森李登輝友の会」
http://shukuei.blog19.fc2.com/blog-date-20070731.html
知られざる日台融和の祭典−青森県大間町の「天妃祭」に参加して【上】
青森日台交流会 阿貴
1、なぜ青森に媽祖様が?
媽祖様は台湾では代表的な神様ですが、青森県大間町の稲荷神社にも天妃媽祖大権現
が祀られています。
我々は今年7月15、16日に開催された「天妃様祭り」に参加して来ました。
大間町の天妃(てんぴ)祭は毎年海の日に、町全体が全力を挙げて行うお祭です。
「天妃様」とは航海や漁業の守り神として知られています。いわば「海上守護の女神」
です。天妃は昔から、海上安全を願う漁民たちに信仰されてきた。台湾や東南アジアの
方では別名「媽祖」と呼ばれています。媽祖信仰は台湾の代表的な民間信仰にもなって
いる。また現在では世界26か国1500余か所の地区に媽祖廟があると分かりました。特に
台湾では、媽祖廟は八百余か所くらいあるそうです。
日本にも媽祖様(天妃様)が15箇所ほどで祀られていますが、「日台融和」の祭りは
ここ、青森県大間町だけなのです。日本の天妃祭の中でも、大間町が一番なんです。
ちなみに旧暦の3月23日は媽祖の誕生日です。台湾の媽祖廟では4日間にも及ぶ、台湾
全土に渡って盛大な祭りが開催されています。
なぜ天妃様が大間で祀られているのか? すごく不思議に思いました。資料によれば16
96年(編集部注−生類憐みの令を発した第5代将軍徳川綱吉の時代)、大間村の名主伊藤
五左衛門が海で遭難した。その時天妃様に助けてくださいとお願いしたところ、天妃様
が現れて助けてくれた。この時の出来事はその年から97年後に大間を訪れた紀行家菅江
真澄の天妃縁起に書かれているそうです。
それから五左衛門は茨城県那珂湊に祀られていた天妃様を自分の屋敷に祀った。これ
が大間に来た始まりだそうです。現在は大間稲荷神社に祀られています。天妃様は明治6
年に大間町の稲荷神社に合祀され、今日に至っていますが、住民は平成8年(1996年)ま
でに、神様が天妃様だということを忘れて分からなくなっていました。大間町観光協会
会長の大見光男氏(現県会議員)の発議で、祀っている神様の身分を調べたところ、そ
の神様が「天妃様」ということが分かりました。遷座300周年にあたる平成8年に、天妃
祭での町おこし、大漁祈願がこの年から始まりました。天妃様のご神体を一般公開し、
神社の入り口に五左衛門の顕彰碑を建てました。
2、今年も参加ツアーを組みました
媽祖本尊の分身や千里眼、順風耳、みこし、多数の大型人形や行列用品は、台湾の媽
祖信仰の総本山であり、現在稲荷神社と姉妹宮にもなっている台湾雲林県の北港朝天宮
から寄贈された物です。双方の橋渡しを務めたのは、日本の媽祖信仰の団体である「日
本媽祖会」の入江修正名誉会長たちです。入江会長は北港出身の台湾人です。
日本媽祖会の方々も毎年東京から大間に来て、天妃祭に参加しています。今回も会長
の顔錦川氏が10数名の方を連れて参加しました。
青森日台交流会と青森李登輝友の会も昨年から参加しています。大見光男氏は実は青
森李登輝友の会の会長でもあるので、何か協力できたらいいなという気持ちもありまし
た。
そこで二つの会が共同でこの祭りの参加を募集したところ、昨年の倍の人数、20人の
参加となりました。それは日本李登輝友の会をはじめ、各支部の方々の参加のおかけで
す。 本部からは事務局次長片木さん、理事永山さん、秋田県支部準備会代表の千葉さん、
青森県支部の会員村上さん&ファミリー、茨城県に住む友の会の会員小田さん、東京か
ら熱烈愛台湾の同志飯田さん、青森県支部、青森日台交流会の会員、下屋さん&ファミ
リー、秋田県在住の佐藤さんなどが参加しました。宮城県支部の方も参加する予定でし
たが、体調不良のため、欠席となりました。ぜひ来年参加できたらいいなと願っていま
す。遠いところから参加した皆様に御礼を申し上げます。
また台北駐日代表処(台湾駐日大使館)の経済部次長である郭慶老さんは許大使の代
理で日本媽祖会と同行して参加しました。台湾宏観テレビの謝さんも取材に駆けつけま
した。 (次号に続く)