日台共栄の夕べに参加して【中西 功(青森日台交流会)】

私も、国家も変わらなくてはいけないのです

 12月23日の「平成17年 日台共栄の夕べ」には、青森、宮城、石川、愛知、大阪など全
国各地から駆けつけていただき、本年最後の催しを盛会裡に終えることができました。有
難うございました。
 その中のお一人で、青森から駆けつけられた「青森日台交流会」の中西功氏がその感想
を青森日台交流会のブログに掲載されていますのでご紹介いたします。考えさせられる感
想です。また、中西氏は、くじ引きでチャイナ・エアライン様ご提供の台湾往復航空チケ
ットが当たった方です。
 ちなみに、このブログは本会のホームページにもリンクしていて、管理人の阿貴(アー
クエイ)さんももちろん本会会員です。このブログは「日本と台湾が大好きな方へ。日台
の情報を交換して。交流を深めていきたいと思っております。不定期で更新しますので。
皆さん宜しくお願い申し上げます」とあり、そこに紹介されている阿貴さんのプロフィー
ルも併せてご紹介します。

阿貴(アークエイ)台湾・新竹・客家人。好きな飲み物:コーヒー。好きな果物:りんご。
好きな言葉:世の中には、言語が異なっても、通じるものが三つある、「音楽、美術、食
物」

 阿貴さん、おいしいリンゴと焼き立てのパンを有難うございました。来年は中西さんた
ちと力を合わせ、念願である林建良さんの講演会をぜひ開いてください。協力を惜しみま
せん。                               (編集部)

ブログ青森日台交流会
http://shukuei.blog19.fc2.com/


 12月23日に池袋のホテルメトロポリタンで開催された、日本李登輝友の会主催の「日台
共栄の夕べ」に参加してきました。先月入会し、初めてのイベント参加だったので,非常
に緊張したものとなりましたが、会場で、小林よしのりさん編集の「わしズム」等で御活
躍中の謝雅梅さん,テレビ・評論で御活躍の黄文雄さん、チャンネル桜の水島総さんなど
の著名人を見かけては、おのぼりさんのように「わぁ、有名人だぁ」などと思っているう
ちに緊張はさらに高まってしましました。

 さて、第1部の元駐タイ大使岡崎氏講演「世界の運命を決する台湾問題」は、アジア諸
国のシーレーンとしての台湾の重要性や、世界第2位の近代兵力を持っている日本が権利
を持っているが行使できない不可思議な集団的自衛権問題をわかりやすく論じて頂き、大
変勉強になりました。

 そして第2部の大忘年会。知り合いが一人もいないため、初めのうちは不安でしたが、
青森日台交流会の阿貴さんの紹介があり、スタッフの方とお話させて頂きながら、徐々に
他の方とも交流を深めていくことができました。そのなかで、旧制台北高校卒で李登輝前
総統の先輩である方は、80歳を優に超えた御高齢にもかかわらず、大変お元気な方で楽し
くお話させて頂きました。

 忘年会最後に行われたくじ抽選会! これは私にとって今年の10大ニュースにも十分入
る出来事となりました。結論から申し上げると、特賞の中華航空さん御提供台湾往復航空
券が当たってしまったんですが、絶対当たらないと思っていたんです。なぜなら、賞品は
その他にも台湾名産品等があったんですが、くじ引きが始まってすぐに私の番号の両隣が
出てしまったんです。私は元来くじ運がないので、ここですっかりと諦めてしまい、「ど
んな人に当たるのかなぁ」という思いで見ていたのに、まさか当選してしまうなんて!! 
壇上では足はがくがく、声は震えるなか「青森から参加した!」と伝えるのが精一杯でし
た。その後、日本媽祖会監事の方からもお声がけを頂き、大変充実した一日となりました。

※媽祖:海上航海の安全の神様です。島国台湾で信仰があることの他、青森県大間町にも
 祀られているそうです。(すみません、行ったことがないので「そう」としか言えませ
 ん)

 閉会後までスタッフの方々と御一緒させて頂き、大変気さくな一面に触れることができ
たのも喜ばしい出来事でした。

 さて、私なりの講演の所感を少々述べたいと思います。

 日台共栄の夕べの講演で,岡崎氏は「日本は集団的自衛権を行使できるよう今からでも
変えていかなければならない」と結論付けました。その心は、

1.アジア諸国の驚異となっている中国の横暴をこれ以上進めさせないために、日本が集
 団的自衛権を行使することによりアジア諸国と協調して中国と戦う姿勢を示さなくては
 ならない。
2.アジア諸国もちろん日本のシーレーンとして重要な台湾海峡を封鎖させないために、
 集団的自衛権の名のもとに台湾海峡を守らなくてはならない。
3.世界一深いとされる台湾東海域を、中国潜水艦が日本に来る航路とさせないために、
 集団的自衛権を行使し台湾を中国の毒牙から守らなければならない。

というものです。

 さて、日本の防衛を考える際に度々でてくるこの「集団的自衛権」ですが、私も岡崎氏
の論には100%賛成です。しかし、それを可能とするためには数々の障害を乗り越えて
いかなければなりません。自衛隊および自衛隊員の位置付けといった国内法の問題、中国
や韓国に恫喝されても断固として日本国のために推し進める日本政府の外交能力、そして
日本国民の心。

 このなかでおそらく一番厄介なのが日本国民の心なのではないでしょうか。

 集団的自衛権を行使するということは、日本が直接被害を受けない状態において(もち
ろん間接的に被害はこうむるのですが)日本の自衛隊を戦争に参加させるということです
。我々日本人は,大東亜戦争でアメリカに敗れ,進駐軍の「ウォー・ギルト・インフォメ
ーション・プログラム」により洗脳されてしまったため、「戦争」という言葉を聞いただ
けでも拒否反応をおこす国民になってしまいました。

 私について言わせていただければ、学生時代は戦争はいけないものだともちろん教わっ
てきましたし(戦争とは武器を使った外交、外交とは武器を使わない戦争などと教える教
師は非常に少ないでしょうが…)、戦争を経験したことがないために,TV等の映像を見
ても(すみません,見栄を張りました。私の部屋にはここ9年ほどTVがありませんので
、新聞などの報道を読んでも」に修正いたします)あまり実感は湧かず、自分が参加する
なんて想像だにできません。

 もし、万が一集団的自衛権を行使するような事態になった場合、この程度の意識しかな
い私は、賛成、応援することはできますが、「それならあなたは共に戦いますか?」と聞
かれたら、迷わずに「ハイ!」と返答できません。いや、自国が被害を受けていても返答
できるか疑わしいものです。

 頭でわかっていても、行動できる自信などまったくないのです。世界には、第二次世界
大戦後ようやく自民族の国家をもてたイスラエルのように、自国が被害を受けるならばど
の国に非難されようが(アメリカだけは別でしょうが)先制攻撃さえ辞さない国家だって
あるというのに。本当に情けないと思います。

 話し合いで国家間のすべての諸問題が解決すればいい。そして、それが不可能だった場
合のことは思考を停止させてしまう。そんな標準的な日本人です。

 このように私ができもしないことを、国を護っていただいている自衛隊員の方々にして
頂きたいなんて、到底言えるものではありません。「集団的自衛権の行使」これは個別自
衛権でさえどのタイミングで行使するか二の足を踏んでしまう現状において、かなり難解
な課題と思われます。しかしながら、日本が国として独り立ちしていくためには集団的自
衛権の行使は避けて通れない道です。私も、国家も変わらなくてはいけないのです。

 −日本が国連安保理の常任理事国に立候補した際、アジアは一国として日本を支持しな
かった。−

 日本人として寂しい現実を突きつけられた講演でした。


 管理人の阿貴です、私もすごく参加したかったのです。日本李登輝友の会主催の「日台
共栄の夕べ」に参加できなくって、悔やんでいます。けど必ず来年の「日台共栄の夕べ」
は参加するぞ!と気合を入れてますが、現実ではどうなるか。
 まぁ〜中西様が特賞の中華航空さん御提供台湾往復航空券が当たったことで、もう嬉し
くって、言うことはないです。