武漢肺炎「COVID-19」の人為説と流出説は否定できない段階に入った!

 本誌ではこれまで、武漢肺炎こと「COVID(コヴィット)19」について「なぜ武漢だったのか」をテーマに、数度にわたって関連ニュースを紹介してきた。

 中国政府は当初、今回の「COVID-19」の発生源を湖北省の武漢市にある「華南海鮮市場」と特定し、この海鮮市場で大量の新型コロナウイルスが検出されたと発表、1月1日にこの市場を閉鎖した。また、「COVID-19」は動物の体内で突然変異し、武漢の海鮮市場で人に感染するようになったという突然変異説を唱えていた。

 突然変異説に対しては、インドの科学者が2019-nCoVウイルスにほかのウイルス由来のアミノ酸配列が人工的に移植されていることを発見したことにより、人為的に作り出された可能性を否定できなくなった。

 中央通信社(2月22日)によれば、台湾大学公共衛生学院の方啓泰教授も「コウモリの身体に見られるコロナウイルス(RaTG13)と96%一致することがこれまでの研究で判明しているが、ウイルス学の観点に立てば99%以上でなければ一致とは見なせない」として、学術的には人工的に作られた可能性があるとの見方を示したと報じている。

 一方、発生源に関しても、NHKは2月27日、湖北省武漢の当局の話として「最も早い去年12月8日に発症した患者は、武昌区に住んでおり、海鮮市場には行ったことがない」と、海鮮市場説を覆す報道をしている。

 下記に紹介する産経新聞の記事でも、中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)などが26日までに公表した論文において「華南海鮮市場で検出されたウイルスは別の地域から流入していたことがわかった」と伝え、やはり海鮮市場説を覆す報道をしている。

 中国政府はかたくなに人為説と流出説を否定しているものの、もはやウイルスが突然変異ではなく人為的につくられ、なんらかの原因で流出した可能性を否定できない段階に入ったと言うべきだろう。

—————————————————————————————–新型肺炎、最初の発生源はどこ? 深まる謎 「海鮮市場ではない」中国政府系機関が分析【産経新聞:2020年2月26日】

 【北京=西見由章】新型コロナウイルスの最初の発生源は中国湖北省武漢市の華南海鮮市場で取引されていた野生動物だ─。そうした中国当局による従来の見解が揺らいでいる。政府系の機関が、ウイルスは別の地域から同市場に流入したとの分析結果を示したためだ。ただ「最初の感染者」がどこでどのように生まれたのかを突き止める手掛かりは少なく、謎が深まっている。

 中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)などが26日までに公表した論文によると、中国など12カ国で採取された新型コロナウイルスの遺伝子情報を分析した結果、華南海鮮市場で検出されたウイルスは別の地域から流入していたことがわかった。早ければ11月下旬には別の場所で「人から人」感染が始まっていた可能性があると指摘。その後、同市場を拠点に感染が拡大するルートもできたと分析した。

 こうした見方は、武漢市の医師らが1月、英医学誌「ランセット」に公表した論文と符合する。論文は、12月1日に発症した最初の患者をはじめ、当初確認された感染者41人のうち14人が市場とは無関係だったと指摘。ウイルスの自然宿主であるコウモリも同市場で取引されていないとした。

 発生源はどこなのか。香港メディアなどによると、華南理工大(広東省広州)の肖波濤(しょう・はとう)教授は今月6日、研究者向けサイトに投稿した論文で、同市場から280メートルの近距離にある武漢疾病予防コントロールセンターからウイルスが流出した可能性を指摘した。

 論文によると、同センターでは浙江省などで600匹以上のコウモリを実験用に捕獲。研究員1人がコウモリに攻撃されてその血液が皮膚に付着したり、尿が体にかかったりしたことがあり、その都度14日間の自主隔離を行ったという。サンプルや汚染されたごみがウイルス流出の原因になったとの見方を示した。

 ただこの論文はその後、サイトから削除された。中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官は20日、ウイルスが「実験室から流出した」「生物兵器として開発された」などとする説について「世界の著名な専門家たちは全く科学的根拠がないと認識している」と述べている。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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