正論を吐いた空幕長 [ジャーナリスト 花岡 信昭]

今朝の新聞各紙のトップ記事が、田母神俊雄・航空幕僚長の更迭だ。

 本会理事でもある元谷外志雄氏が代表をつとめるアパグループが今年5月に募集した
懸賞論文で、田母神俊雄・航空幕僚長の応募作『日本は侵略国家であったのか』が最優
秀賞を受賞した。だが、論文内容が政府見解に反すると判断されたため、浜田靖一防衛
相は昨晩更迭を決めたという。

 この第1回「真の近現代史観」懸賞論文の審査員をつとめるジャーナリストの花岡信
昭氏が審査の経過を説明し、「ここまで書いて更迭されるのであれば、それでいいでは
ないか」と憤っている。同感である。田母神空幕長の武人としての、日本人としての勇
気をこそ讃えるべきである。

 花岡氏は田母神空幕長の論文(PDF)も紹介しているので、「花岡信昭メールマガ
ジン」第642号を下記にご紹介したい。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


正論を吐いた空幕長
【11月1日「花岡信昭メールマガジン」第642号】
http://www.melma.com/backnumber_142868/

 田母神俊雄・航空幕僚長が更迭された。適切でない論文を発表したためという。

 ウィキペデイアはさすがにすばやい。もう、こういう記述が出ている。

 2008年10月31日、アパグループ主催の第1回「真の近現代史観」懸賞論文で応募作『日
本は侵略国家であったのか』が最優秀賞を受賞。「日中戦争は侵略戦争ではない」「日
韓併合は国際条約に則って合法的に行われた」とする自説を展開すると共に現在は政府
見解において日本国憲法で禁止されている集団的自衛権を容認すべきであると、政府見
解と異なる主張を行なった。問題視され浜田靖一防衛大臣により同日付で更迭。

 この論文募集はアパグループの元谷外志雄代表が企業の社会還元活動の一環として、
総額500万円を投じて実施された。200本を超える論文の中から最優秀賞に選ばれた。

 審査委員長は渡部昇一氏。実は小生も審査委員の1人であった。

 執筆者の氏名が入っていない論文のコピーがCDで届けられて、それぞれが読み込ん
だうえで、2回、審査委員会を開いて絞り込んでいった。審査委員の合計得点で最高だ
ったのが、田母神氏の論文だ。だれが書いたものか分からないまま、内容だけで判断し
た結果である。

 論文はこれである。
 www.apa.co.jp/book_report/index.html

「日本は侵略国家であったのか」と真っ向から問いかけ、多くの事実をあげて、たんた
んと論理的に記述されていた。文句なく最優秀賞にふさわしいと判断した。

 麻生首相は「立場が立場だから適切ではない」と述べたが、おそらく、この論文を読
めば、100%賛同するはずである。

 過去の植民地支配と侵略について「深い反省」を示した村山談話と相違しているのは
確かだ。政府当局者としては、見解の不一致をつつかれることにはなる。まして、国会
は不穏な情勢だ。野党に格好の攻撃材料を与えてしまうことにもなる。

 そうした政治判断での更迭である。田母神氏は堂々とこれを受ければいい。正論を吐
いて更迭された空爆長として歴史に残ることになる。

 論文の末尾だけ紹介する。

「日本というのは古い歴史と優れた伝統を持つ素晴らしい国なのだ。私たちは日本人と
して我が国の歴史について誇りを持たなければならない」

「私たちは輝かしい日本の歴史を取り戻さなければならない。歴史を抹殺された国家は
衰退の一途をたどるのみである」

 一気に読み込んでいって、最後の文章にうなった。ここまで書いて更迭されるのであ
れば、それでいいではないか。こころある人の多くは、ひそかに拍手を送っているはず
だ。


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