機関誌『日台共栄』第3号が発刊!!

李登輝前総統の「台湾・異なる二つの文化」も掲載

 いささか遅れましたが、本会の機関誌『日台共栄』第3号(10月号) が発行され、
昨日、学生会員を除く普通会員以上の会員に発送いたしました。
 李登輝前総統の論考は毎号掲載していますが、今号でも編集部翻訳による「台
湾・異なる二つの文化−終戦前後の二つの時代における台湾文化の比較」と題す
る、含蓄に富んだ講演録を掲載しています。李登輝前総統は日本時代と戦後の国
府時代を政治、教育などの面から比較し、次のように述べて、二つの時代の相違
点を明瞭にしています。

●日本の統治は厳しいものだったとは言え、政治はとても清潔なもので、当時の
官吏や警察の多くは清廉で矜持があり、汚職も非常に少なかった。……翻って戦
後の台湾を見るに、国民党政権は台湾人に対して、何かにつけ「ともに一家の人
間」「血は水より濃い」と言いながら、実際にはさまざまな差別待遇を加え、人
々から自信と自尊心を奪い、声を上げることのできない人間にしてしまった。

 今号ではまた、中国からの独立が「台湾独立」だと漠然と考えている日本人が
少なくないようですので、日本人として台湾独立問題にもっとも深く関与してい
る宗像隆幸氏(アジア安保フォーラム幹事・本会理事)に、台湾の独立とはどう
いうことなのか、憲法制定問題とからめて「なぜ台湾憲法の制定が必要なのか」
と題して執筆いただきました。

●元来、台湾の独立は、中国とはなんの関係もないのだ。しかし、「台湾の独立
は絶対に許さない」という中国の声があまりにも大きいために、台湾の独立を中
国からの独立と誤解している人が多い。しかし、現実を直視すれば、中国の主張
が全くのフィクションであることは明白であろう。

さらに、最近は『わしズム』などでも精力的に台湾に関する論考を発表している
林建良氏(世界台湾同郷会副会長・本会常務理事)には、8月末に再燃した李登
輝前総統の訪日問題について「一台湾人からみた李登輝訪日問題」と題して執筆
いただきました。反日勢力を歓迎し、親日勢力を拒否する外務省の問題点や中国
の真の狙いなどを深くえぐり出しています。

●「反日親中」の連戦、宋楚瑜なら訪日ができ、日本で自由に「政治活動」も行
っていい。「親日反中」の李登輝氏なら「政治活動をやる恐れがある」と難癖を
つけ、訪日を認めないのだ。その外務省幹部の頭に描いている李登輝氏がやる恐
れのある「政治活動」は、どのくらい日本に害を及ぼすのかを知りたいものであ
る。

 その他にも、産経新聞のソ連特派員などをつとめた澤英武氏(本会理事)が連
載コラム「台湾と私」で旧制二高時代に触れ、日台交流を進める6つの提言をし、
また、大学の卒論に八田與一を選んだ拓殖大学大学院生の杉山美也子さんには、
台湾で八田與一の偉業がどのようにして伝えられていったかなどをエッセイ風に
書いていただきました。以下に、第3号の目次を紹介します。
            (『日台共栄』編集長 柚原正敬)
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はホームページに掲載し、入会申込書もダウンロードできますので、こちらをご
利用ください。

http://www.ritouki.jp/


台湾と私(3) 六つの提言●澤 英武
台湾・異なる二つの文化●李 登輝
なぜ台湾憲法の制定が必要なのか●宗像隆幸
一台湾人からみた李登輝訪日問題●林 建良
李登輝先生来日歓迎実行委員会が発足●柚原正敬
八田與一と台湾と日本と●杉山美也子
日台共栄前史(3) 考古学に基づく日台同祖論●黄 文雄
真理大学の学生や友愛会と有意義な交流|第1回・日台青年交流会議●早川友久
許世楷駐日代表の為すべき五つのこと●本誌編集部
蕭任喬さんのご遺族へお見舞金●古市利雄
日台交流日録(3)●6月30日〜8月25日
支部だより●熊本県支部・埼玉県支部
事務局通信・編集後記
 表紙2 日台共栄写真館 8月21日〜25日 第1回・日台青年交流会議
 表紙3 日台共栄写真館 8月22日 台湾音楽祭・フォルモサの夢
 表紙4 日本李登輝友の会役員一覧