柯文哲・台湾民衆党主席が逮捕!

本日(8月31日)未明、台湾第二野党の柯文哲・台湾民衆党主席が台北市長時代の贈収賄事件への関与の疑いで逮捕された。

現職の党首逮捕は相当に根拠がなければあり得ないことで、異例と言ってよい。

昨日の本誌で「台湾民衆党の凋落」として、世論調査を基に8月に入って柯文哲氏や民衆党の「好感度」が急落し、「反感度」が急増したことを伝え、「主席を辞任する可能性は高く、基盤が弱く、柯主席の個人商店的な民衆党の弱体化に拍車がかかるのは避けられまい」と伝えたばかりだった。

その記事では、8月に入ってからは柯文哲主席を巡る金銭スキャンダルが相次いで噴出したとして、総統選での政治献金に会計操作の疑いがあることや、選挙補助金を利用した高価不動産の購入、台北市長時代に商業ビルの開発を巡って市当局が容積率を不当に引き上げたとされる贈収賄事件への関与の3点を挙げた。

柯氏には、台北市長時代に市当局が商業ビルの容積率を不当に引き上げたことにより、腐敗防止条例に基づく贈収賄汚職の嫌疑がかけられていて、柯氏が夜間の聴取を拒否したことにより逮捕に至ったようだ。

商業ビルとは、台北市内の「京華広場」のことで、中央通信社は「2021年に容積率が当初の560%から840%に大幅に拡大されており、今年5月、告発を受けて台湾台北地方検察署(地検)が捜査を開始」していたと伝えている。

また「検察は29日、野党・国民党の応暁薇台北市議と、施設の開発を手掛けるコア・パシフィック・グループ(威京総部集団)の沈慶京主席(会長)の勾留を請求」し、「台北地検と法務部(法務省)廉政署は27日、香港に渡航しようとしていた応氏の身柄を拘束」したとも報じていた。

これで、民衆党も党首交代を余儀なくさせられた。

党勢は衰退に向かわざるをえまい。

また、香港に渡航しようとして身柄を拘束された応暁薇・台北市議は中国国民党所属の議員。

中国国民党も影響を避けられないだろう。

この問題は立法院でも取り上げられることも十分想定される。

その場合、民衆党と国民党は防戦に回らざるをえず、両党へのダメージは大きい。

◆台湾民衆党ホームページ https://www.tpp.org.tw/


台湾の第2野党トップ、柯文哲氏を逮捕 検察、市長時代の汚職容疑 「疲労で聴取拒否」【産経新聞:2024年8月31日】https://www.sankei.com/article/20240831-3BQRY6KJ4JISLKJVGBOR7LSSKM/

【台北=西見由章】台湾の検察当局は31日未明、台北市長時代の汚職容疑で事情聴取していた立法院(国会に相当)第3党、台湾民衆党の柯文哲主席(党首)を逮捕した。

同党は立法院でキャスチングボートを握る第2野党で、金銭スキャンダルが党創設者の逮捕という異例の事態に発展した。

検察当局は30日、柯氏の自宅や事務所、民衆党本部を家宅捜索。

柯氏に任意で出頭を求めて事情聴取していた。

同党によると、柯氏への聴取は31日午前2時頃まで続けられ、柯氏が疲労を理由に聴取の継続を拒否したところ逮捕されたという。

柯氏の弁護士は、逮捕の合法性を巡り裁判所に審理を申し立てる方針。

台湾メディアによると、検察当局は柯氏が台北市長だった2020年、商業ビル開発を巡り、業者側から依頼を受けた市当局が許容される容積率を不正に引き上げて便宜を図った疑いがあるとして、柯氏の関与の有無を捜査していた。

柯氏は30日の出頭前、「自分に問題がないことはわかっている」などと記者団に潔白を主張していた。

一方、29日の記者会見では、今年1月の総統選に出馬した際の政治献金を巡り不適切な会計報告があったなどとして3カ月間休職する意向を発表していた。


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