昨日の東京新聞と本日の読売新聞によれば、政府は李登輝前総統の5月来日を認め、多く
の国民が待ち望んでいる講演も容認する方針であることが明らかになった。また、東京訪
問も容認するという。
ただし、首相、閣僚や国会議員との面会は「認めない」ない方針だという。
面妖なことである。
国民党の現役主席だった連戦氏などは横浜の中田市長や平沼赳夫議員などと会談してい
る。宋楚瑜・親民党主席などは総統選の候補者として登録した後に来日して、やはり日本
の政治家と会い、都内のホテルで選挙演説までしているのである。
政府はいったいなにを恐れているのだろう。親中派の現役政治家は無条件で、親日派で
一市民の李登輝氏には条件を課す。台湾が反日化してゆくのは、このような日本政府の姿
勢が原因の一つといっても過言ではない。
先に本会が政府に提出した要望書にも明記したように、李登輝前総統には条件を課して
はならないのである。 (日本李登輝友の会事務局長 柚原正敬)
前台湾総統 李氏、日本で講演計画
【東京新聞 2月22日】
【台北=佐々木理臣】今年五月に訪日予定の李登輝・台湾前総統(83)が日本滞在中
に大学などで講演を行う計画であることが二十一日、明らかになった。実現すれば李氏は
総統退任後、日本で初めて市民に“肉声”で語りかけることになり、大きな反響を呼びそ
うだ。
日台関係筋によると李氏は中国の反発を懸念する日本政府に配慮し、政治的演題を避け
文化的テーマに絞る方針。講演場所は、日台の学術研究会を通じ親交がある元東京外語大
学学長・中嶋嶺雄氏が学長を務める秋田市の「国際教養大学」やキリスト教関連団体の日
曜礼拝の際などに行うことが検討されている。
実兄が祭られている靖国神社への参拝は、今回は見送られる見通しだ。
李氏は総統退任後、病気治療と観光で二度訪日しているが、中国が「台湾独立派の中心
人物の訪日は、日中関係を破壊する」と反発。李氏は日本の印象などを述べるにとどまり
、多数の聴衆を前にした講演は行っていない。
台湾・李登輝氏の5月訪日を容認 政府方針
【読売新聞 2月23日】
政府は22日、台湾の李登輝・前総統が希望している5月の訪日を認める方針を固めた。
李氏を「台湾独立派」と見る中国の反対に配慮し、政治的活動はしないことを求める考
えだ。ただ、過去2回の訪問では認めなかった講演は、政治問題に触れないことを条件に
容認する方向だ。
台湾からの短期滞在の観光客については、政府は昨年3月以降、査証(ビザ)を免除し
ており、李氏もビザなしの来日となる。
李氏は仙台や秋田など東北地方を回り、松尾芭蕉の「奥の細道」ゆかりの地を訪問した
いとの意向を示している。首都・東京への立ち寄りも希望している。
政府は中国を刺激しないよう、事前に日台間で協議し、李氏に入国の条件を課すことに
している。ただ、総統退任後、5年以上が経過していることもあり、これまでの来日時よ
り、行動の自由を認める考えだ。
具体的には、〈1〉首相、閣僚や国会議員との面会は認めない〈2〉講演は、文化、歴
史などをテーマにしたものに限って容認〈3〉東京訪問も認める――方針だ。