李登輝前台湾総統が訪日−靖国神社も参拝【月刊「カレント」7月号】

月刊「カレント」という、昭和39年(1964年)創刊の月刊誌がある。新書判より少し
大きいB6判で80ページほどの、ポケットに入るサイズだ。最近その7月号(第755号)を
お送りいただき、李登輝前総統来日記事を掲載していたことが判明した。早速ご紹介し
たい。

 なお、月刊「カレント」は、下記のような来歴を持つ。この7月号でも本会の加瀬英明
副会長や経済学者の丹羽春喜氏などが執筆している。購読をご希望の方は下記の潮流社
までご連絡を。                            (編集部)

 「カレント」は賀屋興宣(元蔵相・衆議院議員)が昭和39年、左右に偏することなく
アメリカ合衆国を盟友として、自由主義社会であるわが国に、正しい世論を喚起するこ
とを目的に創刊。政治・経済・防衛・外交・教育を正しく導く論を広く求め、かつ訴えつ
づけている。カレントの意味は[潮流」。昭和61年には木内信胤(元世界経済調査会理事
長)が継承。その間、福田赳夫元総理が維持会世話人代表をされ、根岸龍介が社長とし
て行ってきたが、厳しい環境もあり77歳を期に退任する。平成10年6月、潮流社がこの精
神を受け継ぎ、日本再生のための潮流を起こす言論活動を開始。次世代のためにも日本
の再創造することを広く呼び掛けている。

■月刊「カレント」 http://karento.com/
 購読問合せ先は潮流社。平日10時〜19時
 TEL.03-3479-4260 FAX.03-3479-4236


李登輝前台湾総統が訪日−靖国神社も参拝
【月刊「カレント」7月号】

 台湾の李登輝前総統(84)が5月30日から6月9日まで訪日した。今回の訪日は私人とし
ての学術文化交流で、第1回後藤新平賞受賞や奥の細道を辿る旅や記念講演などそれにふ
さわしい日程をこなした。

 ただ東京訪問は22年ぶりで総統退任後3度目の訪日では初めてのこと。6月7日には靖国
神社を参拝して大東亜戦争で日本兵としてフィリピンで戦死した亡き兄、李登欽氏(日本
名・岩里武則)の霊を慰めた。

 その6月7日夜、東京・虎の門のホテルオークラで盛大に開かれた歓迎パーティーで講
演し、靖国神社参拝について「父は兄の死を信じようとしなかった。98歳で死んだが、
兄について家ではまったく何も(弔いも回向も)していなかった。訪日の機会を得て、
それも東京に来られて参拝できたことは本当によかった。やるべきことをやったおもい
だ。兄の霊が私のところへ帰ってきていた。一生のうち必ずおまいりしなければと思っ
ていた」と語り、重荷を下ろした表情を見せていた。

 また李登輝氏は国際情勢についての講演の中で、2007年から2008年中にアメリカ、ロ
シア、中近東、中国、アジアなどで政治経済状況が変化する。つまりアメリカがイラク、
イランに手こずっているうちロシアが経済、エネルギー軍事にわたって旧ソ連圏や中東
での勢力を回復しようとし、中国はみせかけの経済成長から金融危機、経済危機を深め、
矛盾から来る国内問題に胡錦濤政権は翻弄される。

 そうした状況の中で米・イラン、米・ロシア、米・中国の形でのせめぎ合いが続き、
新しい世界情勢が展開されていく、との見方を示した。

 とくに中国について「救いようのない危機が存在しており、人間の数が多く国土も広
いだけに深刻さは測りしれない面がある」と強調した。

 日本については「安倍政権時代にすべての面で中国と対等の(安全保障上の)勢力を
保持するようにしておかないといけない」との期待を表明した。

 質疑応答では、中国という国について「世界のまん中にある、との考え方を持ってお
り、進歩と退歩の繰り返しをしている。ここから抜け出すことを教えてあげないといけ
ない」と述べた。

(写真、記事とも本誌取材。いずれも歓迎パーティーで。左下は夫人を紹介)



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