テルや航空券の手配も済んでいた。ところが夏風邪による急な高熱のため、やむなく欠席となっ
た。
熱を押して李登輝元総統宛にお送りしたのが渡辺会長からの下記のメッセージだ。来賓の謝長
廷・台北駐日経済文化代表処代表の挨拶に引き続き、司会の伊藤純子・群馬県伊勢崎市議によって
読み上げられて披露された。
李登輝元総統へのメッセージ
日本李登輝友の会会長、拓殖大学前総長 渡辺 利夫
李登輝元総統閣下、この度は沖縄県石垣市招聘事業実行委員会の招聘により石垣市を御訪問いた
だきましたこと、日本国民の一人としてまことに誇らしいことでございます。
私は、この春、日本李登輝友の会の会長に新たに就任しました渡辺利夫であります。閣下を石垣
島にお迎えできることを何より光栄に思い、無上の楽しみにしていたのですが、東京を出発する直
前に高熱に襲われ、身動きすることができず、石垣訪問を断念せざるを得なかったのですが、かえ
すがえすも無念でなりません。
閣下が浜田宏一教授との共著として出版されました『日台IoT同盟』を読了し、深い感銘を抱か
されております。閣下は昨年7月の訪日時に福島県郡山市の「脳神経疾患研究所付属南東北BNCT研
究センター」を訪問され、最先端の癌治療技術に深い関心を寄せられました。そして、この度は、
IoT、つまり私どもの身の回りのあらゆる製品に埋め込まれたセンサーがインターネットを通じて
新しいサービスを生み出すメカニズムの創生に日本と台湾が向かうべきであるとの政策構想を発信
されました。生産要素の新統合こそがジョセフ・シュンペーターがいうところのイノベーションの
真の意味であります。閣下のIoTこそ、まさに既存の技術(生産要素)の新統合によるイノベー
ションの真髄を示すものであります。
私も、石垣島のようなフロンティアで日本と台湾の連携により、そういう新統合が花開くことを
切に願うものであります。
御高齢にもかかわらず、つねに柔軟かつ自在に将来を構想する閣下の高い志に深い敬意を表する
とともに、日台の連携のためになおお力をお貸し下さるよう切に祈っております。
閣下、今回は本当に有難うございました。
近々、御参上し、お目にかかれますことを心から念じております。重ねて御礼申し上げます。