李登輝元総統と本会のインターネット中継を「自由時報」が報道

月刊「WiLL」5月号にも「震災処理と再建復興への一私見」を寄稿

 昨日の本誌で、李登輝元総統が3月27日に台北市内で開かれた『真情台湾、日本加油!』
と題した東日本大震災のためのチャリティ・コンサートにおいて、本会総会の会場とイン
ターネット中継により地震に対するお見舞いメッセージを紹介した。そのことを3月28日付
の台湾紙「自由時報」が伝えているのでご紹介したい。翻訳は本誌編集部による。

 なお、現在発売中の月刊「WiLL」5月号は、総力大特集と銘打って「東北関東大震災
 私はこう考えた」という好企画を掲載している。このトップで、李登輝元総統が「震災
処理と再建復興への一私見」と題して寄稿されている。これもぜひご一読いただきたい。

 また、「自由時報」の記事に出てくる『9・21 大地震─救災日記』の日本語版は、2000
年2月21日、PHP研究所から『台湾大震災救災日記』というタイトルで出版されている。

1999年(平成11年)9月21日に台湾・南投県で起こったマグニチュード7.3という阪神・
淡路大震災を越える大地震のとき、台湾総統にあった李登輝氏による9月21日から1ヵ月に
わたる日記を出版したものだ。李氏がどのように緊急救助から再建復興に向かったのかが
詳細につづられている。被災民の救済を第一に、復興はどうあらねばならないかを常に念
頭に置きながら行動していたことがよく分かり、緊急時、国のトップがどういう考え方に
基づいて、どのように行動しなければならないのかの見本となるような内容だ。

本書に解説を寄せた中西輝政・京都大学教授(本会副会長)が「一見、実務的な日記の
体裁をとりながら、これは政治と人間性の本質について改めて深く考えさせる作品」(崇
高なるリーダーシップ─『台湾大震災救災日記』を読む)と高く評価している。同感であ
る。現在、品切れで重版は未定だそうだが、政府関係者には今こそ参考にしてもらいたい。

■ 李登輝著『台湾大震災救災日記』(PHP研究所、2000年)
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-61008-5


原発放棄議論? 李登輝元総統「まずはエネルギー問題を解決してから」
【自由時報:2011年3月28日】
http://www.libertytimes.com.tw:80/2011/new/mar/28/today-p6.htm

 民進党の総統候補者選びに立候補を表明した蔡英文主席が「2025年・核エネルギー放棄
国家計画」を主張していることに関し、李登輝元総統は「どうやって『放棄』するつもり
か。エネルギー資源は台湾にとって最大の問題であり、もし原子力発電の放棄を議論する
のであれば、まずはエネルギー問題を解決してからだ」と述べた。

 李登輝元総統は昨日、台北李登輝友の会および李登輝民主協会共催の「台湾真情 日本
加油」音楽会に出席。会場と、日本李登輝友の会総会会場をインターネット回線で結び、
李氏は被災者した民衆のために祈りを捧げるなどと述べた。

 蔡英文主席の「2025年・核エネルギー放棄国家計画」に対し、「放棄計画」の詳細が不
明瞭なので、原発問題に関しては、専門家の意見を聞くべきだとした。ただ、もし「原発
放棄」するのであれば、代替エネルギーの問題を解決するのが先決だ。また現在、エネル
ギーは台湾にとって最大の問題で、もし原発を無くすのであれば、その他の発電方式を研
究すべき、と語った。

 日本政府高官が李登輝元総統に対し、震災救助問題についてアドバイスを求めた、との
報道に関して、李氏は否定したが、著書『9・21 大地震─救災日記』の日本語版が出版さ
れており、その中で官と軍が協力して救済にあたった経験が述べられていることから、日
本の友人5,6名から感謝の手紙が届いていると述べた。
              (翻訳:本誌編集部)



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