昨晩、李登輝元総統が9月に沖縄の琉球大学で講演されるというニュースが駆け巡っ
た。読売新聞が最初に報道したようだ。
5月11日の本誌で、八田與一技師の墓前祭を終えた石川県金沢市の「八田技師夫妻を
慕い台湾と友好の会」(中川外司・世話人代表)が淡水に李前総統を訪問した折の5月
9日、石田寛人・金沢学院大学長が李元総統に年内の同大での講演を依頼したところ、
李元総統が「承知しました」と答え、その時期について「もみじのころ、九月か十月」
と表明されたことを北國新聞の記事を引用して紹介した。
大方がその予定で進むだろうと期待していたところ、何と予想もしない沖縄ご講演の
ニュースだ。
琉球大学といえば、もちろん国立大学法人だ。報道では主催がどこなのかが不明なの
で、琉球大学が主催者なのか、単に会場だけなのかは明確でない。
しかし、例え会場であったとしても国立大学で開かれる意義は小さくない。なぜなら、
母校の京都大学で李登輝元総統の講演会が開かれてもおかしくないからだ。確かに昨年
6月6日、総務省及び文部科学省の設立認可を受けた公立大学法人である秋田・国際教養
大学で講演されているので国立大学法人での可能性も開けた。それが琉球大で開かれる
となると確実性が増したことになり、母校・京都大学での講演が完全に視野に入ること
になる。
もし琉球大学が主催者であればなおさらのことで、琉球大で講演される意義の決して
小さくない。
講演の詳細が分かり次第、本誌でもお伝えしていくが、いったい沖縄でどのような
「日本文化」に関する講演をされるのか興味津々だ。馬英九政権や日台関係についても
言及されるかもしれない。また、共同通信が伝えるように「尖閣諸島や中台問題に言及
するか」も気になるところだ。
この講演は見逃せない。本土からも多くの関係者が駆けつけるのではないかと思う。
今から楽しみである。
(メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬)
台湾の李登輝・元総統、講演で9月に沖縄訪問
【8月10日18:26 読売新聞】
【台北=石井利尚】台湾の李登輝元総統(85)が9月22日から25日まで4日間の日程で
沖縄県を訪問する。
関係筋が10日、明らかにした。
「日本文化」をテーマに講演するのが目的。2000年の総統退任後の訪日は昨年5月以来で、4回目となる。
李登輝氏、9月に沖縄訪問 大学で講演
【8月10日21:46 共同通信】
【台北10日共同】台湾の李登輝元総統が9月22日から25日までの4日間、大学での講演
のため沖縄を訪問する。関係者が10日までに明らかにした。李氏の来日は2000年5月の
総統退任以来、今回で4回目。
関係者によると、講演は9月23日、琉球大で予定されている。07年5、6月の来日では
「奥の細道」探訪や太平洋戦争で戦死した兄が祭られている靖国神社の参拝を行った。
李氏はかつて尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領土問題について、「釣魚島は日本の領
土だ」と述べ物議を醸した。このため、尖閣諸島や中台問題に言及するかどうかが注目
される。
李氏は最近、急速に対中接近を強める馬英九政権に批判的な姿勢を示している。