靖國神社では昭和22年から毎年7月に「みたま祭」を斎行している。ご祭神として祀る
246万余(台湾出身戦歿者は27,864柱)の御神霊(みたま)を慰霊し顕彰するためだ。
境内には、各界著名人から絵や文字を書いて奉納された「懸ぼんぼり」(約300点)やご
遺族や崇敬者から奉納された大小3万灯を超える献灯が掲げられる。参道の両側には、10メ
ートルを超そうかという高さまであかりの灯った提灯が連なる光景にはただただ圧倒され
る。それはなんとも言えない美しい光景で、東京の夏の風物詩として定着している。期間
中は数万人が訪れる。
昨年、李登輝元総統は初めて「懸ぼんぼり」を奉納された。揮毫された文字は「誠實自
然」。李元総統は靖國のご遺族でもある。実兄の岩里武則命(台湾名:李登欽)が祀られ
ている(詳しくは2007年来日記録『李登輝訪日 日本国へのメッセージ』参照)。一文字
一文字に魂が込められているような丁寧な書きぶりが印象的だった。今年も「懸ぼんぼ
り」を奉納され、「成仁護國」と揮毫されたそうだ。
ちなみに、昨年の「誠實自然」と揮毫された「懸ぼんぼり」は、今年の「ぼんぼり揮毫
選集」(絵葉書10枚セット)の1枚に入っている。
本会は今年も大型の提灯を献灯したが、今年は、本会の台湾側カウンター・パートの李
登輝民主協会(蔡焜燦理事長)が初めて献灯している。また、毎年12月、靖國神社で台湾
出身戦歿者慰霊祭を斎行している「李登輝学日本校校友会」(天目石要一郎理事長)も献
灯している。
みたままつりは7月13日から16日まで行われる。期間中は「江戸芸かっぽれ」が披露され
たり、歌手の「つのだ☆ひろ」氏による特別野外コンサートや日本歌手協会有志による歌
謡特別公演が行われ、青森ねぶたや地元の神輿振りも奉納されるなど、盛りだくさんのイ
ベントが組み込まれている。
境内には、たこ焼きや焼きそばなど200店を超える「夜店」がズラリと立ち並び、台湾の
夜市の雰囲気もたっぷり味わえる。ぜひお出かけください。
◆ 靖國神社ホームページ「第65回みたままつりのご案内」
http://www.yasukuni.or.jp/news_detail.php?article_id=0084
◆『李登輝訪日 日本国へのメッセージ』(本会編、まどか出版)
http://www.madokabooks.com/isbn978-4-944235-37-7.html