李登輝元総統が月刊「宝島」10月号で「日本と台湾の強い絆」を訴える

8月25日発売の月刊「宝島」10月号で、李登輝元総統が「日本と台湾の強い絆」と題し、
小特集「3・11後の日本」の中で東日本大震災を通じて見えた指導者のあり方について述べ
ている。インタビューと構成、写真は、台湾問題に関心を持つ方なら誰でも知っている台
湾在住のフリーランス・ライターの片倉佳史(かたくら・よしふみ)氏。

 地震が起こった当初、その信じられない光景をテレビで見つつ日本へメッセージを発し
たことや台湾の救助隊を向かわせたことなどについて触れ、すぐに救助隊が受け入れられ
なかったことについて「日本政府の真意はわかりませんが、被災者にとっては国家の利害
関係や政治的な駆け引きなど、何の関わりもないことだけは確かです」と、被災者をない
がしろにするような日本政府の対応に疑問を呈している。

 そこからリーダー論を展開、リーダーにとって何が重要かを指摘し、被災後の状況を知
って「日本人の社会常識と良識に改めて感銘を受け」たものの「現在の日本に、そういっ
たリーダーがいるでしょうか」とズバリ直球ど真ん中。

 また、この震災を通じて日台の絆が深まったことにも言及、「私たち台湾人にとって、
日本が災難に襲われるということは、家族や親戚が苦しみに呑まれるようなものです。同
情よりも、さらに深いところで心を痛めているのです」と、台湾人の真情を吐露している。
まさに「台湾の声」だ。 そして指導者は「真の『日本精神』を見せてほしい」と訴えて
いる。

 東日本大震災以後、数え切れないほど日本のメディアに登場している李登輝元総統だが、
これまでの発言と重複するのは致し方ないとして、紙面を通して伝わってくる迫力は変ら
ない。また日本への熱い期待感に、わが身の姿勢が正される思いに駆られる。

 このインタビューは8月1日に行われたが、これまで数え切れないほどのインタビューを
経験している片倉氏にして「ご縁をいただき李登輝元総統をインタビュー。向かい合うだ
けで伝わってくる迫力。そして身体に染み入るような『何か』を感じる」(メルマガ「片
倉佳史の台湾便り」2011年8月14日発行、第47号)と述べる。ぜひご一読を。

◆月刊「宝島」10月号(8月25日発売 580円)
  http://tkj.jp/takarajima/2011Oct/

◆台湾特捜百貨店−片倉佳史の台湾体験
  http://katakura.net/



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