李登輝元総統は「行政院長(首相)に就任した頼清徳氏について、まだ若い上に物事を実行に移す力もある人材だと期待を示した。また、台湾独立を掲げる頼氏が果敢にも中央政府に赴き、蔡英文総統を支えることになったとし、出席した政治家らに頼氏に協力するよう呼び掛けた」という。中央通信社が伝えているので下記にご紹介したい。
なお、記事では「昨年の晩餐会では、低血圧のため途中退席」とあるが、これは低血圧ではなく、血糖値が低下したためだ。すでに明らかにされているように、李元総統は糖尿病を患っていて、食事の前は必ずインシュリンを投与してから臨まれている。ところが、食事を満足に摂られないと血糖値の低下を招き、症状がひどいときには意識障害を引き起こすこともある。
昨年は、挨拶を終えられて食事が始まると参加者が次々と挨拶や写真を撮りに来て、食事を満足に摂れなかったことで血糖値低下を招いた。異変に気づいたSPがすぐ対応し、いったん会場を出て血糖値を戻す措置を取り、落ち着かれたところで会場に戻られるという「ハプニング」が起こった。
—————————————————————————————–李登輝氏、頼清徳新行政院長は「若く実行力もある」【中央通信社:2017年9月10日】http://japan.cna.com.tw/news/apol/201709100003.aspx
(台北 10日 中央社)李登輝元総統は9日、「李登輝基金会」主催の募金晩餐会に出席し、8日に行政院長(首相)に就任した頼清徳氏について、まだ若い上に物事を実行に移す力もある人材だと期待を示した。また、台湾独立を掲げる頼氏が果敢にも中央政府に赴き、蔡英文総統を支えることになったとし、出席した政治家らに頼氏に協力するよう呼び掛けた。
晩餐会には与党・民進党の呂秀蓮元副総統や野党・時代力量の黄国昌主席、許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)など多くの政治家が集まった。
李元総統は現在の蔡英文政権について、段階的任務と国家目標の方向性がどこに向かっているのか、いまだに不明確だと指摘。蔡総統に対する世論調査の結果も理想的ではないと述べ、2020年の
総統選挙で民進党が歴史的大敗で野党に転じた2008年の時と同じ失敗を繰り返すことに懸念を示した。
李氏は、この深刻な問題に立ち向かわねばならないと強調。国家が団結を必要としている時こそ、国家利益を追求し、新たな時代に果敢に向かっていくべきだと呼び掛けた。
あいさつの冒頭では起立していたが、途中で係員に支えられながら、運ばれてきた椅子に着席した李氏。昨年の晩餐会では、低血圧のため途中退席しており、李氏はこのことについて来場者に陳謝した。
(葉素萍/編集:楊千慧)