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李登輝元総統は本日午前10時から、台湾大学農業経済学系(学部)の大講堂で「我的人
生哲学(私の人生哲学」と題した講演を行いました。
昨年11月中旬に大腸癌の開腹手術を行ったことで、一時期その体調が心配されました
が、術後の経過は大変順調で、今年4月に高雄および屏東を皮切りにした台湾全国を視察す
る「生命之旅」を始められました。
「総統を退任した後、地方に出掛けていない」という想いによって始まった地方視察で
は「大陸反攻に固執した国民党の中央集権化の影響で、地方経済が疲弊している」と台湾
経済の先行きを憂いながらも「地方にはまだまだ埋もれた人材がいる」と市井の人々のひ
たむきな姿に希望を見出していました。
5度にわたって行われた「生命之旅」では、晴れ男の李元総統には珍しく、雲林や彰化で
台風に見舞われました。9月上旬の南投・台中を巡る視察では、炎天下で疲れた表情を見せ
ながらも、熱心に人々の声に耳を傾ける姿に心打たれました。
「生命之旅」にはまだ台湾北部や東部が残されていますが、とりあえず今年の視察予定
は南投・台中をもって終了。年末までは、積極的に大学をまわり、学生たちに向かって講
演を行うとのことでした。
今日は、母校でもあり、かつては教鞭をとっていた台湾大学農業経済学系での講演。聴
衆として集まった学生は300人以上。席が足りなくなり、通路にまで学生があふれる満堂と
なりました。
以前から、李元総統は、特に学生や若者と話すことが出来るのを何よりも喜ばれると仄
聞します。台湾の将来を担う学生たちに対し、ご自身の哲学を伝えることで、何かしらの
糧として欲しいという願いによるものでしょう。
「私はいま90歳、皆さんはいま20歳くらい。しかし、私が20歳から経験した70年間と、
これから皆さんが経験する70年は全く違う。変化は地球規模で起きている。そのことを念
頭に置いて対処していかなくてはなりませんよ。」
そう締めくくった李元総統は立ちっぱなしの講演90分、その後も質疑応答で30分近くし
ゃべりっぱなし。90歳を過ぎ、ますます元気になっていくように見えるのはあながち錯覚
ではないかもしれません。
※講演抄録は整理次第、掲載します。