年1月9日現在)もの犠牲者を出した2011年3月11日の東日本大震災から4年目を迎えた。今なお2,5
84人が行方不明だと伝えられる。
政府は、本日午後2時30分から東京・千代田区内の国立劇場において、天皇・皇后両陛下ご臨席
の下に「東日本大震災四周年追悼式」を執り行う。内閣府が発表した「東日本大震災四周年追悼式
次第 」は以下のとおり。
民主党政権下で行われた一周年追悼式で台湾代表は指名献花の対象からはずされたが、自民党政
権下の二周年目からは「礼は尽くさなければならない」と加えられ、台湾側も「外交団や国際機関
と同じ来賓席を台湾に用意してくれたことに感謝している」と表明している。
◇ ◇ ◇
・開式(午後2時40分)
・国歌斉唱
・黙とう(午後2時46分から1分間)
・内閣総理大臣式辞
・天皇陛下のおことば
・追悼の辞 ・衆議院議長 ・参議院議長 ・最高裁判所長官 ・遺族代表(3名)
・献花
・閉式(午後4時15分頃)
※ 追悼式閉式後、一般の方々の献花をお受けします。一般の 方々の献花の時間は、午後4時30分
頃から約1時間30分を予定しています。午後4時頃まではお待ちいただける場 所がありませんの
で御了承願います。御香典、御供物は御遠 慮ください。献花用の花は会場に御用意します
また、追悼式実行委員長をつとめる安倍晋三・内閣総理大臣は2月24日に「国民の皆様へ(東日
本大震災四周年に当たって)」を発表し、昨日は記者会見を開いて改めて下記のように述べてい
る。
◇ ◇ ◇
あの東日本大震災から、明日で4年となります。改めて、大震災によってお亡くなりになられた
方々に心より哀悼の意を表したいと思います。
愛する家族を失い、そして友を失い、被災した皆さんの今も癒えることのない悲しみと厳しい生
活環境の下での御苦労に、今後もしっかりと寄り添いながら復興に全力を挙げていく。その決意を
新たにしております。
4年前、発災直後に被災地へと足を運んだ際、その被害の大きさに愕然といたしました。あの時
の光景は今もこの目に焼きついて離れません。
そんな時、宮城県の避難所で1人の女の子に出会いました。震災で曾お祖母さんとお母さんを
失った小野望美ちゃんは当時、小学校3年生でありました。私は望美ちゃんに「夢」と書いた色紙
を贈りました。2年前、総理大臣となって再会を果たした時、望美ちゃんは小学校を早く建ててほ
しいという夢を私に語ってくれました。そして、昨年夏、その夢は叶いました。10月、新しく完成
した長瀞(ながとろ)小学校の校舎を、6年生になった望美ちゃんは誇らしげに私に紹介してくれ
ました。
住まいの再建は、この春までに1万戸の公営住宅が完成し、随時、避難していた皆さんの入居が
始まっています。これからの1年で更に1万戸の完成を目指します。高台移転も加速し、来年3月ま
でに全部で1万戸分の宅地を整備してまいります。
津波で大きな被害を受けた1万8千隻に及ぶ漁船の復旧が完了し、水産加工施設はその8割で業務
を再開しています。
今年は震災前の7割を超える農地で作付けが行われる予定です。
被災地を南北に貫く常磐自動車道も全線で開通しました。浜通り地域のおいしいお米や海の幸を
消費地へと送り、観光客が行き交う大動脈として、復興の起爆剤となることを期待しています。
福島では、除染した土の中間貯蔵施設への搬入が、いよいよ今週から始まります。受入れを決断
してくださった双葉町、大熊町の皆さんに改めて御礼を申し上げます。皆さんのふるさとを思う気
持ちを胸に刻みながら、福島の再生に向けて除染を一層加速し、県内8万8千か所に及ぶ仮置場の一
日も早い解消に取り組んでまいります。
長期にわたって仮設暮らしを強いられている皆さん、厳しい状況に置かれている方々がまだまだ
たくさんいらっしゃることも事実です。そうした皆さんのお気持ちを考えると大変辛い思いです。
東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策についても、引き続き、国が前面に立ち取り組んでま
いります。
そうした中でも、一歩ずつではありますが、復興は確実に新たなステージへと移りつつある。月
1回のペースで続けてきた被災地訪問で、私はそのように感じています。
福島に完成したばかりの復興公営住宅で一人の御婦人が私にこのように語ってくださいました。
「将来への不安はある。しかし、前向きに、明るく生きていきたい。」大きな不安を抱えながら
も、懸命に今を生きる、こうした被災者の皆さんの気持ちにしっかりと寄り添っていく。そして、
必要な支援は全てやっていく。この安倍内閣の決意は、これからも揺らぐことはありません。
地域の新たなきずなづくりを支援します。長期にわたって厳しい避難生活を送っている皆さんへ
の見守り体制を強化するなど、心の復興に一層、力を入れてまいります。そして、生業(なりわ
い)の復興も今後、更に加速してまいります。
今般訪れた岩手の大船渡では、再建された魚市場が震災前を上回る水揚げに沸いていました。朝
5時からの仕事は大変だと思いますが、「やりがいを持ってやれる仕事です。」と、一人の若者が
語ってくれたことが今でも強く印象に残っています。
来年3月で、5年間にわたった集中復興期間は終了いたしますが、次の5年間の新たな復興支援の
枠組みをこの夏までに策定いたします。
閣僚全員が復興大臣である。その思いの下、内閣の総力を結集して策定作業に当たるよう、先ほ
ど指示をいたしました。
被災地の皆さんの自立を支援し、一人一人が希望に満ちた将来を描くことができるよう、政府と
してこれからもできる限りの支援を行っていく考えであります。
福島では、新しい復興拠点をつくり、まちづくりを進めてまいります。さらに、ロボットや再生
可能エネルギーといった分野で、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生してまいりま
す。
あの原発事故から5年目を迎える今、被災者の皆さんの自立への道を後押しする。そのために、
営業損害賠償の再検討と併せ、事業や生業(なりわい)の再建に向けた支援策を大幅に拡充してま
いります。
こうした福島再生のための政策パッケージを、早ければ本年5月にも決定し、福島の自立に向け
た将来像をこの夏頃までに取りまとめてまいります。
復興はいまだ道半ばです。しかし、私たちの歩みは確実に前へ前へと進んでいます。そして、こ
れからも前進あるのみであります。
先週、岩手では、地元の皆さんが待ちに待ったJR山田線の復興工事が始まりました。その起点
となる釜石は、先日、2019年ラグビーワールドカップの開催地に決まりました。海外からもたくさ
んの観光客がお越しになるはずです。その時には、是非とも、日本が誇る美しい三陸海岸を北から
南まで満喫してほしいと思います。
宮城では、この春、地域の皆さんの足である石巻線、仙石線が順次全線で運行を再開する予定で
す。
福島の富岡駅には、2年前に私も訪れました。駅の周辺には今もなお、津波と原発事故の爪跡が
残されたまま、帰還困難区域を通るJR常磐線は4年を経た今でも再開の見通しが全く立っていま
せんでした。
今般、地元の皆さんの強い期待に応え、JR常磐線については、浪江−富岡間も含めて、将来的
に全線で運行を再開させる。その方針を決定いたしました。今後、順次開通を目指してまいりま
す。
「外で遊べるようになって、みんなが元気になった。」真新しい長瀞(ながとろ)小学校のグラ
ウンドで笑顔いっぱいの小野望美ちゃんがこう語ってくれました。この春、望美ちゃんは中学生に
なります。夢と希望を持って新たなスタートを切ってほしいと願います。
福島では、この春、ふたば未来学園高校が誕生します。少し早いですが、152人の新入生たちの
新たな船出を心から祝福したいと思います。双葉地域は今、原発事故から再び立ち上がり、力強く
復興しようとしています。その姿を自らの目に焼きつけながら、先進的な教育環境の下、成長して
いく。3年間の学びの日々は、必ずこれからの人生において大きな糧となるに違いありません。
子供たちは未来への希望であります。大いに学び、遊び、そして、友達と交わりながら、福島の
みならず、日本、更には世界をリードする人材へと成長してもらいたいと大いに期待しています。
私からは以上であります。