本会青年部が靖國神社崇敬奉賛会青年部と合同花見会[青年部 早川友久]

来年以降も青年部恒例行事として定着させたい

 3月31日(日)、満開の桜が咲き誇る靖國神社において、本会青年部主催の花見会が開催
された。当日はあいにくの曇天であったが、「靖國神社崇敬奉賛会青年部あさなぎ」(以
下「あさなぎ」と略)の会員の方々にも参加いただき、総勢約30名の賑やかな会となった。
本会青年部員、「あさなぎ」会員、台湾からの留学生、更にはアジア文化を研究している
ハンガリーからの留学生という多彩な顔ぶれだ。

 午後1時半、集合した一行はまず昇殿参拝へ。何はともあれ、英霊の皆さまにお参りして
からである。花見客でごった返す境内や参道の喧騒は、本殿まで届いては来ない。初めて
昇殿参拝したという留学生はその静寂さに感激していた様子。参拝に際しては、「あさな
ぎ」会員の方から手水の作法を教えていただくなど、もうすでに交流が始まっていた。

 参拝後、靖國神社のご好意でお借りした靖國会館で懇談会。参加者に自己紹介をしても
らうと、靖國神社や台湾に興味を持ったきっかけはまさに千差万別。「いつも大きなニュ
ースになる靖國神社を自分の目で確かめたかったから」「(小林よしのり氏の)ゴーマニ
ズム宣言を読んで」「李登輝さんを尊敬しているから」など前向きな意見が目立つ。他に
は「遊就館の入場料がタダになるから」という正直な理由も。

 どんな動機であれ今日の花見に集まったのもなにかの縁。しかも、同年代で同じ志を持
った仲間と交流を深める良いチャンスだ。各人の遍歴も、学生、会社員、自衛官、公務員
、大学院の試験に落ちて無職、など普段はなかなか一堂に会さないような人たちばかりで
面白い。ちなみに、日本李登輝友の会と靖國神社崇敬奉賛会の両方に所属しているという
参加者も少なくなかった。

 なお、本会青年部主催の花見会は、一昨年に、場所も同じ靖國神社で開催して以来2回目
。「あさなぎ」の一人は「初めて参加した一昨年の花見がとても楽しかったので、昨年も
楽しみにしていたのに実施されなくてがっかりした。今年は喜び勇んで参加した」と嬉し
い一言。今年は暖冬ということで桜の出足が早く、計画から実施まで日がなかったが、そ
の強行軍も報われるというものだ。ぜひ来年以降も青年部恒例行事として定着させたいも
のだ。

 その後、今回の花見会に際して多大なご協力をいただいた靖國神社崇敬奉賛会の松本聖
吾権禰宜から「靖國神社と台湾」をテーマに話していただいた。大東亜戦争で散華したお
よそ2万8千柱の台湾人出身者の英霊が靖國に祀られていること、李登輝前総統の御兄上も
祀られていること、神門は全て阿里山ヒノキが使われていることなど、台湾との縁浅から
ぬことをお話しいただくと、質疑応答では留学生からも活発な質問が飛び出した。

 まだまだ色々と尋ねたそうな参加者たちであったが、外は曇天模様。天気予報では夕方
から雨やも知れぬということで、早めに花見へ繰り出した方がよいとの判断で、懇談会は
苦渋のお開きに。なお、参加者にはささやかながら、青年部から台湾名産のパイナップル
ケーキと烏龍茶をプレゼント。

 さていよいよ参道へ繰り出し、満開の桜のもとでお花見。今を盛りと咲く本当に生き生
きとした桜だった。神社側からはみたらし団子とビールの差し入れをしていただくなど至
れり尽くせりのご配慮をいただき、感謝の念に堪えない。

 懇談会では少しかしこまっていたものの、賑やかな席となればそこは同世代。すぐに和
んでそこかしこで話に花が咲いている。台湾に行ったことがあるという「あさなぎ」の参
加者は、留学生と台湾観光談義。自衛官という参加者は横須賀基地所属の海上自衛官とか
。「常に、基地まで90分以内で戻れる場所にいなければならないので、靖國神社はギリギ
リの場所なんです」。ふと、毎年防衛大学校の学生が横須賀から九段まで歩いて参拝する
恒例行事を思い出した。

 「あさなぎ」の参加者たちと話していて印象に残ったことを一つ。それは、靖國神社と
日台関係は似たような課題を持っているということだ。

 靖國神社崇敬奉賛会の会員数は年々逓減している。それは、遺族の高齢化が進んでいる
ことが最大の理由だという。会員の多くが、戦争を知らない世代、周囲に遺族のいない環
境になっていく中で、いかに神社を守っていくか、奉賛会を維持していくかが大きな課題
だという。

 日台関係においては、台湾の親日感情の根幹は、日本時代を知り、日本に親しい感情を
持つ“日本語族”に拠るところが大きい。李登輝前総統しかり、蔡焜燦氏しかりである。
しかし、日本語族の存在が伝説となるのはそう遠い未来の話ではない。李登輝前総統も陳
水扁総統も、「日台関係は断交以来、最良の状態」と述べているが、この最良の状態を今
後いかに維持していくか、そして「新しい日台関係」を盛り立てていくことが出来るかは
、私たちの双肩に掛かっているのである。

 靖國神社、日台関係、ともに先人の遺産を受け継ぎ、守っていくことが私たちの使命で
あり、義務であることを桜の下で考えた有意義な花見会であった。風も出てきた夕方5時、
「あさなぎ」の方々に「来年の研修旅行はぜひ台湾へ」と釘を差して今年の花見会はお開
きとなった。参加していただいた方々、多大なご協力をいただいた靖國神社崇敬奉賛会に
心より感謝申し上げる次第である。

 来年も「靖國で会いましょう」。



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