本会が「2023政策提言」の冊子刊行に伴い政策提言を公表

◆本会ホームページ:本会が「2023政策提言」の冊子刊行に伴い提言を公表 http://www.ritouki.jp/index.php/info/20230710/

 日本李登輝友の会では平成24年(2012年)から毎年、「政策提言」を発表しております。今年も日米台関係研究所の協力の下、今年度の政策提言を作成して3月下旬に発表し、このほど日本文に中文訳と英文訳を付した冊子(非売品)として刊行いたしました。

 日本と中国が「日中共同声明」に署名してから50年を越えましたが、中国は急速に軍事力を拡張し、政治、経済力の増強と併せて地域の平和と安定の脅威となっている国の典型であり、G7広島首脳コミュニケでも「東シナ海及び南シナ海における状況について深刻に懸念している」ことを表明し、「国際社会の安全と繁栄に不可欠な台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認する」とともに「両岸問題の平和的解決を促す」ことを表明しました。

 しかし、日中共同声明の文言が日本政府の外交・安全保障政策の足枷となって、わが国は、今日において実施すべき国内外政策、特に台湾との安全保障の政府間対話に正面から取り組むことができなくなっています。

 そこで、私どもは「中国と台湾は相互に隷属していない」「『台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する』という中国の主張は、事実に反する」との認識に立ち、今年度は以下の政策を提言しました。

1)日台交流基本法を早期に制定せよ2)広島G7サミット共同宣言における台湾言及のレベルを引き上げよ3)首相の施政方針演説において必ず台湾に言及せよ4)日台間で安全保障を含む協力を促進し即時の情報交流を実施せよ5)台湾有事における邦人保護のための日台の協力体制を整備せよ6)日台の対中抑止力強化のため、海上自衛隊に原子力潜水艦を導入せよ

 つきましては、冊子刊行を機に公表いたします。ぜひお目通しの上、ご理解賜り、実現にお力添えいただきますようお願い申し上げます。

 ちなみに、冊子の発行は6月30日としました。

 この日は、李登輝元総統がまだ台湾大学の助教授だった1961年(昭和36年)6月、講演などのために来日された折、前年2月28日に台湾独立建国聯盟の前身の台湾青年社を設立して『台湾青年』を刊行しはじめた、台北高等学校1年先輩の言語学者でもある王育徳氏とお会いした日です。

 李元総統と王氏はこの6月に2度お会いしています。1度目は6月16日で、李元総統から王氏を訪ねていて、王氏は日記に「実に気持ちのいい人で、こんな素晴らしい台湾人に会ったのは日本に来て以来初めてだ」と書いています。

 2度目は、王氏が本郷の宿に李元総統を訪ね、王氏は日記に「肝胆相照らして話し合った。彼のような快男児が台湾に100人おれば理想郷の建設は夢物語じゃない」とつづっていました。その日が6月30日でした。

 台湾は戒厳令下にあり、この密会が明らかになれば、帰台した李元総統は政治犯として逮捕され、良くても緑島送り、悪くすれば死刑に処されていたかもしれません。李元総統の豪胆な一面が伺われる逸話です。

 李登輝38歳、王育徳37歳という若かりしときのこのエピソードを思い出し、李元総統から薫陶を受けて来た日本李登輝友の会にご縁の深い日として、冊子の発行日とさせていただきました。

──────────────────────────────────────

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: