【祝】安全保障関連法案が衆院本会議で可決!

【祝】安全保障関連法案が衆院本会議で可決!

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄より転載

 設立10年目を迎えた3年前の平成24年(2012年)3月25日、本会は東京・千代田区内のホテルにお
いて第10回定期総会を開催、本会初となる「集団的自衛権」と「日台FTA」に関する「政策提
言」を可決した。

 「集団的自衛権」に関する政策提言は、「集団的自衛権は保持しているが行使できない」という
現行の憲法解釈が、日米同盟の緊密化を阻害し、その実効性を強化する上で大きな足かせとなって
きたことに鑑み、「国家としての強い決意を内外に示す上で最も効果的な方策は、集団的自衛権の
行使に関する政府の現行憲法解釈を修正することである」として、憲法解釈の修正を求めたもの
だ。

 昨年7月、安倍内閣は集団的自衛権の行使容認に関して閣議決定し、今年の5月下旬から安全保障
関連法案の審議に入っていた。

 7月15日、審議時間が目安を超えたとして衆院平和安全法制特別委員会で採決され、昨日午後に
は衆院本会議で可決されて衆院を通過した。

 今後、法案は参院に送付され、60日を経ても可決されない場合は否決したとみなされ、9月14日
以降は衆院の3分の2以上の賛成で再可決できることから、今国会での成立は確実となった。

 ここに、改めて本会の集団的自衛権に関する「政策提言」を掲げ、安全保障関連法案の衆院通過
に祝意を表したい。

                 ◇   ◇   ◇

政策提言:「集団的自衛権に関する現行憲法解釈を修正せよ」

 台湾が中国の支配下に置かれることは、東シナ海、南シナ海及び西太平洋、即ち日本周辺海域が
中国の影響下に入ることを意味し、我が国も深刻な安全保障上の危機に直面することとなろう。我
が国にとっても悪夢である。

 今や日本は、座して台湾が中国に併呑されるのを見守るか、台湾との連携を推進して中国の外洋
進出を牽制するかの岐路に直面しており、日米両国は同盟関係をさらに強化すると共に、価値観を
共有する台湾の戦略的重要性を再認識して新しい対中戦略を策定し、日米同盟と台湾の協力関係を
更に深化させるべき時期に来ている。

 今年1月発表された米国の「新国防戦略」では、沖縄、グアム、オーストラリアなどに即応性の
高い兵力を分散配備することで中国に対する抑止力を図る考えである。しかし、この戦略では中国
による南西諸島に対する侵略や東シナ海の安全に対する脅威の増大といった事態に即応すべき米軍
兵力が減少する事態が生ずることは必至であり、日米両国は、そのような事態にあっても即応能力
を低下させないという明確なメッセージを発信するが必要である。

 そのためには、まず日本が周辺地域の安全保障態勢に主体性を発揮することが求められる。

 いま将に、自国の安全とアジア太平洋地域の平和と安定にとって日米同盟の強化が最重要課題と
なっており、そのためには実効性のある防衛力の整備及び所要の法的整備に加えて、日米の同盟関
係を対等なものとすることが不可欠である。

 「集団的自衛権は保持しているが行使できない」という現行の憲法解釈が、日米同盟の緊密化を
阻害し、その実効性を強化する上で大きな足かせとなってきたことは否定できない事実である。

 この問題を早急に解決し、国家としての強い決意を内外に示す上で最も効果的な方策は、集団的
自衛権の行使に関する政府の現行憲法解釈を修正することである。

 憲法改正を待たずとも、解釈の修正によって集団的自衛権の行使を可能とすることの方が、要す
る時間とエネルギーの両面から見てもより現実的であり、かつ、実際の作戦実施においても共同対
処能力を飛躍的に向上させることによって抑止力を更に向上させることが期待できる。

 ここに集団的自衛権に関する現行憲法解釈の修正を提言する。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: