「ポレポレ東中野」で公開されたのは7月22日。なかなか好評のようだ。毎日新聞の鈴木玲子・前
台北支局長が酒井監督を「ひと」欄で紹介している。下記に紹介したい。
酒井監督は、本日(8月3日)2回の舞台挨拶に立ち、5日はトークショウ―、6日も舞台挨拶に立
つという。
この「ポレポレ東中野」での公開は8月25日(金)まで。その前週の8月19日(土)からは、北海
道札幌市「シアターキノ」、宮城県仙台市「フォーラム仙台」、愛知県・名古屋市「名古屋シネマ
テーク」、福岡県福岡市「KBCシネマ」の4館で上映がはじまり、その後も前2作(「台湾人生」、
「台湾アイデンティティー」)と同様に全国巡回上映となる。
◆映画「台湾萬歳」公式サイト
http://taiwan-banzai.com/
◇ ◇ ◇
8月3日(木) 12:30の回上映後&14:50の回上映後 舞台挨拶
ゲスト:酒井充子(監督)
8月5日(土) 12:30の回 上映後 トークイベント
ゲスト:酒井充子(監督)×与那原恵(ノンフィクション作家)
田中紀子(雑誌「東京人」副編集長)
8月5日(土) 14:50の回上映後 舞台挨拶
ゲスト:酒井充子(監督)
8月6日(日) 12:30の回上映後&14:50の回上映後 舞台挨拶
ゲスト:酒井充子(監督)
◆ポレポレ東中野(TEL:03-3371-0088)
https://www.mmjp.or.jp/pole2/
JR総武線・都営地下鉄大江戸線 東中野駅より徒歩1分
酒井充子さん=台湾3部作を完成させた映画監督
【毎日新聞「ひと」:2017年8月2日】
https://mainichi.jp/articles/20170802/ddm/008/070/130000c
酒井充子(さかい・あつこ)さん(47)
好きな映画の舞台である台湾での出会いが、新聞記者を映画の道に飛び込ませた。それから15
年。台湾3部作の最終章となる作品「台湾萬歳(ばんざい)」を完成させた。
1998年、訪れた北部・九份(きゅうふん)のバス停でおじいさんに日本語で声をかけられ
た。戦後53年たっても学校で教わった日本人の恩師を慕っていた。台湾の日本統治時代(1895〜
1945年)に日本語で教育を受けた「日本語世代」の存在に驚き、自分はあまりに台湾を知らないと
気づかされた。「自分への怒り、学校でも歴史をほとんど教えていない社会への怒り」がこみ上げた。
台湾の映画づくりを決意し、2年後に勤めていた北海道新聞を辞めた。2002年に製作を始め、1作
目の「台湾人生」(09年)では日本語世代に焦点を当て、次の「台湾アイデンティティー」(13
年)では、言論弾圧など厳しい戦後を生き抜いてきた姿を追った。
新作「台湾萬歳」は、市井の人々を通して、より幅広く台湾の奥深さに迫った。舞台は自然豊か
な東部・台東県成功鎮で、漁師や先住民族の日常の暮らしの中に家族を大切にする思い、神や先祖
への祈りが溶け込む。
成功鎮に計100日住み込み、沖縄から伝わったモリで魚を取る「突きん棒漁」を撮影するため漁
船に15回乗り込んだ。7月1日、成功鎮での上映会に住民約500人が集まり、反響を呼んだ。「悠久
の時の流れの中にある台湾を少しだけ、やっと撮れた」とはにかむ。<文と写真・鈴木玲子>
■人物略歴
山口県出身。「台湾萬歳」は東京・ポレポレ東中野(03・3371・0088)で上映中。大阪、名古屋
などで順次公開。