「屏東県と高砂義勇隊記念碑訪問団ツアー」がいよいよ明日から訪台します。参加者は
14名、本部からは柚原正敬事務局長、片木裕一理事が参加いたします。
ご案内にも記しましたように、今から80余年前、烏山頭ダムを建設した八田與一(はっ
た・よいち)の先輩にあたる鳥居信平(とりい・のぶへい 1883〜1946)が屏東(へいと
う)県内に造成した地下ダム「二峰[土川](にほうしゅう)は、未だに飲料水や田畑の
灌漑用水として使われています。屏東の人々はこの鳥居信平の事績を称揚し、教科書にも
掲載してその偉業を讃えています。
奇美実業創業者の許文龍氏も鳥居の事績を知って感動し、自ら胸像を造り、屏東県と鳥
居信平のふるさと静岡県袋井市(「月見の里学遊館」に設置)に寄贈しました。
そこで、袋井市は、原田英之市長も参加し、台風被害の慰問も兼ね、地下ダムを訪問す
ることに。なんと袋井市からの参加者は108名。この数字からその意気込みのほどが伝わ
ってきます。参加者は今年6月に開港したばかりの富士山静岡空港から飛び立ち、屏東の
二峰[土川]を訪問した後に奇美博物館を訪問、許文龍氏ともお会いします。
このツアーには、鳥居信平を見出し、日本に紹介されたノンフィクション作家の平野久
美子さんや、鳥居信平の令孫、鳥居徹・東京大学教授も同行します。
ちなみに、屏東県は去る8月の台風8号(モーラコット台風)による被害が高雄県に次い
で大きかったところで、本会から200万円の義捐金をお贈りしています。
袋井市の訪問団と分かれた本会訪台団は、台北県・烏来(うらい)の高砂義勇隊慰霊碑
を訪問参拝します。
3年前に台北県政府による高砂義勇隊慰霊碑の悲劇については周知の通りですが、慰霊
碑を守る烏来郷高砂義勇隊記念協会による行政訴訟などの粘り強い活動により、すでに慰
霊碑を囲っていた竹垣は取り除かれ、石碑正面の李登輝元総統の揮毫による「霊安故郷」、
側面の長谷川清・台湾総督が密林の奥に消えた高砂族の兵士に奉げた歌も現れました。9
月にはその周りに配されていた日本語石碑なども戻ってきて記念講演として整備され、こ
の11月半ばに改めて慰霊の場として再開します。
今回はその直前の訪問となり、簡単ながら慰霊祭を斎行いたします。パヤス・アバオ
(漢名:周萬吉、日本名:秋野佐吉)理事長代行や、この慰霊碑を建立した周麗梅さんの
ご子息のマカイ・リムイ総幹事など、高砂義勇隊記念協会の幹部の方々が歓待してくださ
るそうで楽しみです。
後日、訪問の模様は本誌に発表いたします。
なお、鳥居信平の二峰[土川]について、その歴史的経過などをたくさんのカラー写真
を使って解説した平野久美子さんの『台日水的牽絆 識水柔情−鳥居信平的故事』(日文
・中文併記)は、在庫が切れていましたが、出版した屏東県政府(屏東県庁に相当)より
お送りいただきましたので改めてご案内いたします。B5判の大きさで、丈夫な表紙の上、
本文192ページの本書はお値打ちものです。日本で取り扱っているのは日本李登輝友の会
だけです。どしどしお申し込み下さい。 (編集部)
■平野久美子著『台日水的牽絆 識水柔情−鳥居信平的故事』(日文・中文併記)
http://www.ritouki.jp:80/cgi-bin/enquete/form0049.reg
*定価:1,200円(送料:160円)*代金:後払い
■袋井市で鳥居信平の胸像除幕式(本誌7月13日号)
http://www.melma.com/backnumber_100557_4541880/
■烏来の高砂義勇隊慰霊碑、ついに石碑を囲っていた竹垣が取り外される(本誌8月14日
号)
http://www.melma.com/backnumber_100557_4576309/