日本政府が台湾の国連加盟申請不受理に異例の「不適切」申し入れ

安倍首相が進める「主張する外交」の典型的事例

 昨日の報道によると、台湾の国連加盟問題をめぐって潘基文国連事務総長が「台湾は
中国の一部」との解釈を示して申請書を不受理としたことについて、8月、日本政府が
「この解釈は不適切」と申し入れていたことが明らかになった。

 日本政府は台湾を中国の一部とは見做していないので、「異例」ではなく、当たり前
の措置ではあるが、この当たり前のことにも頬かむりをしてきたのがこれまでの日本だ
った。その点で「画期的」と言える。

 潘基文事務総長の解釈が世界に通ずる解釈ではなく、中国の主張に基づいた解釈であ
ることを、アメリカと共に明示したことの意義は大きい。アメリカに遅れをとったとす
る意見もあるようだが、日米が同時に同一見解を示したことが大事なのである。

 なぜなら、台湾が中国の一部ではなく、「台湾の帰属先は未定」という認識が世界の
大勢となれば、ではどこに帰属するのかが次のテーマとなるからだ。

 今回、日本政府は非常に大事な措置を敢行した。安倍首相だからできた措置であり、
中国もこれには口出しできない。これは安倍首相が進める「主張する外交」の典型的事
例となろう。原文を入手次第、本誌で紹介する予定だ。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


台湾の国連加盟申請不受理 「不適切」政府申し入れ
【9月7日 産経新聞】

【台北=長谷川周人】台湾が独自で行った初の「台湾」名義による国連加盟申請に対し、
潘基文事務総長が国連は「一つの中国」政策を維持しているとして申請書を不受理とし
たことを受け、在国連日本代表部は国連事務局に対して先月、「台湾に関する地位認定
の解釈が不適切だ」という異例の申し入れを行った。日本の在台代表機関に相当する交
流協会が6日、明らかにした。

 1972年9月の日中共同声明で日本は、中国が主張する「一つの中国」を「理解し、尊
重する」として、「同意を与えていない」というのが基本的な立場だ。これに対して国
連が、事務総長見解として「一つの中国」政策を国連全体の解釈とするのは「不適切」
という日本政府の認識を明確にした形だ。

 申し入れは米国に続いて約半月前に行ったもので、日本代表部は台湾の戦後の帰属問
題に関しても、「サンフランシスコ講和条約で台湾を放棄したが、どこに帰属すべきか
は言うべき立場でない」という日本政府の基本認識も伝えた。


台湾の地位解釈は不適切=日本が国連に申し入れ
【9月7日 時事通信】

【台北7日時事】日本の対台湾窓口、交流協会台北事務所は7日までに、台湾の国連加
盟問題をめぐり潘基文国連事務総長が「台湾は中国の一部」との見解を示したことにつ
いて、日本政府が8月に「この解釈は不適切と考えている」と申し入れていたことを明
らかにした。



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