日光市と台湾・台南市 観光通じ新たな関係へ 民間草の根交流が発展

先にお伝えしましたように、去る1月16日、台南市を訪問した栃木県日光市の斎藤文夫
市長と、許添財・台南市長が観光分野に特化した「観光友好都市」協定を締結しました。

 その続報が栃木県の地元紙「下野新聞」に掲載されました。いささか遅くなりましたが
ご紹介します。

 ちなみに、宇井肇・栃木県日台親善協会会長は本会理事で、設立当時、「日台」と冠し
た団体は山口県日台文化経済交流会くらいしかなく、多くがまだ「日華」と名乗っていた
時代でした。                              (編集部)


日光市と台湾・台南市 観光通じ新たな関係へ 民間草の根交流が発展
【1月29日 下野新聞】

 台湾・台南市と、全国的にも珍しい観光分野に特化した「観光友好都市」提携を16日に
締結した日光市。台湾での調印式は大歓迎ムードの中で行われたが、両市の提携の種をま
いたのは、民間ベースの草の根交流だった。観光に生きる両市の思惑と提携の舞台裏を探
った。(名村雄輔)

−友好都市締結の舞台裏−

 調印式が行われた台南市役所。多くの市民が見守る中、調印を終え、笑顔で抱き合った
斎藤文夫(さいとう・ふみお)市長と許添財台南市長。地元テレビは、この姿をトップニ
ュースで伝え、新聞には「台日両古都 携手弁観光」と見出しが躍った。

 15日に台北市に入った一行を待っていたのは「まるで国賓扱い」(随行市職員)の待遇
だった。斎藤市長と県日台親善協会の宇井肇(うい・はじめ)会長が乗った車は白バイに
先導され、台湾の国会に当たる立法院へ。

 王金平院長は、開会中にもかかわらず予算委員会を中座し、夕食会で市の訪問団を歓待
した。

 台湾は2010年までに外国人観光客を200万人増やそうと、政府を挙げて取り組んでいる。
親しみやすく、地理的に近い日本は、大きなマーケットだ。

 一方、日光市を年間約8万人訪れる外国人観光客のうち台湾は31%を占め、2番目の韓国
の2倍以上だ。

 提携が「観光」に特化されたことの背景にはこうした事情があり、日台とも、さらなる
誘客を図るという目的で一致したと言える。

 今回の提携のきっかけになったのは、県日台親善協会が取り組んできた草の根交流だ。
「日台共栄」を掲げ、02年に発足した同協会。発起人には宇井会長のほか、日光で地医療
を担う台湾人の林建良(りん・けんりょう)医師、斎藤隆男(さいとう・たかお)旧日光
市長(故人)らも名を連ねていた。

 親日家として知られる李登輝元総統の日光招聘(しょうへい)を2007年に実現。毎年行
われている日光明峰高と台湾・南寧高との生徒の相互交流で、橋渡しをしたのも同協会だ。
山内の同協会には、台湾の要人がたびたび訪れていた昨年2月に、外務大臣にあたる黄志
芳外交部長、8月に王院長が訪れた際、斎藤市長が友好都市提携を提案。これが決め手に
なった。

「台南市との往来が増えれば、日光は観光で潤うだろう。だが、心の交流を忘れてほしく
ない」。台湾から帰国した宇井会長は、原点の大切さを語った。

 親善の時代を経て、「観光」で実を取る関係に発展しようとする日光市と台湾。今後こ
の交流は、どれだけの成果を挙げられるか。市を挙げた取り組みが期待されている。



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