京において「中嶋ゼミの会」主催、明石康・元国連事務次長を発起人代表として開かれ
た。会場の「平安の間」には1000名を超える参列者が詰めかけ、本会の小田村四郎会長や
田久保忠衛副会長、理事の宗像隆幸氏や王明理氏なども馳せ参じた。
会場中央に設けられた祭壇の下にはこれまでの著作が並べられ、その中に2007年の李登
輝元総統来日をまとめた本会編纂の『李登輝訪日 日本国へのメッセージ』もあった。こ
の本には中嶋氏の「李登輝前総統来日の意義」も収められている。
また祭壇の右手には、高円宮から贈られた供花とともに、李登輝元総統から贈られた
「知音益友」(ちいんえきゆう)と揮毫の弔意を示す扁額も飾られていた。「知音益友」
とは「互いに気心が知れた親しい友人で、交わってためになる友人」という意味だという。
ちなみに、この扁額は洋子夫人に贈られたもので、日本国際協力センターのお力添えで
台湾から搬送され、3月17日に国際教養大学で行われた大学葬で披瀝されている。
お別れの会の最後に挨拶された洋子夫人は、中嶋氏が生前、自分のお別れの場所には、
李元総統が訪日した際に祝賀会が行われたホテルオークラの「平安の間」を選ぶようにと
言い渡されていたというエピソードを披瀝されたが、中嶋氏の2007年の李登輝元総統の来
日に対する深い思いを知らされた。
下記に「お別れの会」について伝える「中央通信社」の記事をご紹介したい。記事を書
いた楊明珠氏は中嶋氏の東京外大時代の教え子。
なお、国際教養大学は中嶋氏の後任理事長・学長に、国際基督教大学の学長を長年務
め、リベラルアーツ教育を推進して中嶋氏とも共鳴していた鈴木典比古(すずき・のりひ
こ)氏を選任している。
故・中嶋嶺雄氏お別れの会で李登輝元総統、額縁贈る
【中央通信社:2013年6月3日】
http://news.livedoor.com/article/detail/7731741/
(東京 3日 中央社)今年2月14日に亡くなった東京外国語大学元学長で国際教養大学
(秋田市)初代学長の中嶋嶺雄氏をしのぶお別れの会が2日、東京虎の門のホテルオークラ
東京で開かれた。会の発起人は元国連副秘書長の明石康氏。台湾の元総統、李登輝氏は追
悼の額縁を贈った。
会では安倍首相からメッセージが寄せられ、中嶋氏が第1次安倍内閣の教育再生会議で委
員を務めたことを挙げて、長年外交から内政まで幅広い分野で提言を行い、国政の難局に
あたっての氏の助言には感謝してもし尽せないとした。
また、中嶋洋子夫人は挨拶の中で、中嶋氏から生前、自分のお別れの場所には、李元総
統が訪日した際に祝賀会が行われたホテルオークラの「平安の間」を選ぶようにと言い渡
されていたと語った。
会場では檀上中央に従三位および瑞宝重光章が、その右側には李登輝氏・曽文恵夫人2人
の署名で「知音益友」と書かれた額縁が飾られていた(=写真)。
中国研究の第一人者として知られる中嶋氏は、李登輝氏が総統職にあった頃から李氏と
親交が深く、2000年には共著「アジアの知略」を発表している。
(楊明珠/編集:谷口一康)