(ひろせ・まさる)理事が中国・青島で経験した理不尽な投資経験について執筆、本誌で
も紹介した。廣瀬氏はこの体験のさ中に台湾とめぐりあった。
台湾でも、中国の不健全な司法や権力腐敗のもとで多くの台湾企業が理不尽な投資経験
を強いられ、被害を受けた人々が「台湾対中投資被害者協会」を組織してチャイナ・ドリ
ームから目を覚ますよう呼び掛けている。
この「台湾対中投資被害者協会」が9月11日、廣瀬氏を招いて記者会見を開いた。「自由
時報」紙をはじめ20近いメディアがこの記者会見を報じている。中央通信社の記事を下記
に紹介したい。記事中の「日本人投資家」とは廣瀬氏のことだ。「自由時報」では廣瀬氏
の名前も出し、どのような被害を受けたかについても報じている。
併せて、別途、廣瀬勝氏が機関誌『日台共栄』に発表した「台湾は断じて中国ではな
い」を再掲して紹介したい。
◆自由時報:受害日商:中國不適合外商投資[2012/9/12] http://www.libertytimes.com.tw/2012/new/sep/12/today-p3.htm
中国大陸進出には要注意? 台日の投資家が呼びかけ
【中央通信社:2012年9月12日】
http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201209120007
(台北 12日 中央社)中国大陸への投資で被害を受けた人々が組織する「台湾対中投資
被害者協会」は11日、大陸投資に失敗した日本人投資家を招き、投資誘致ではメリットば
かりが強調されるが、大陸ではまだ法的リスクなどの問題があると訴えた。
人口2300万の台湾で、中国大陸に進出する台湾企業関係者(=台商)は200万人近いと言
われる。大陸では、民間人が不明確な理由で当局に拘束されることが珍しくなく、両岸間
で8月に結ばれた投資保護取決めでは、台湾側は台商の身柄拘束時の即時通報を要求した
が、本文には盛り込まれなかった(別取り決めの枠内で対応)。
協会はこの日、日本人投資家の経験を例に、司法運用が不安定な大陸では、海外からの
投資家が思わぬ被害に遭うケースは他人事ではないと強調、誘致ではプラス面ばかり紹介
されるが、現実は全く改善されていないと呼びかけた。
この日本人投資家は以前、8.5億円で山東省青島にプラスチック加工工場を設立したが、
大陸側のパートナーに不正な手段で資産を抵当に入れられ不当な価格で売却され、2億円を
超える損失を出したという。一時は家族が身柄を拘束された上に、300万人民元(3700万
円)にのぼる債権支払いを求められたと話している。