年の瀬の運試し [西日本新聞:特派員の目 遠矢 浩司]

台湾には日本の多くのマスメディアが特派員を派遣している。五大紙といわれる大手新
聞はじめブロック紙やテレビメディアも支局を置いている。各社の台湾特派員の書くコラ
ムが面白い。ニュース報道には見られない人間臭さや眼力が出てくる。台湾ならではの話
題を拾い上げなければならず、筆力も要るので、ここは特派員の腕の見せ所というところ
か。

 だから、楽しみとする読者も少なくない。かく言う編集子もその愛読者である。ここで
は、西日本新聞の「特派員の目」と産経新聞の「台湾有情」の最新版を紹介してみたい。

 ちなみに、西日本新聞の遠矢特派員の伝える宝くじ「大楽透」(大ロト)の一等を出し
たくじ売り場は台北県板橋市、桃園市、屏東県林辺郷の3カ所。どこが一番儲けたかとい
うと、それは台湾政府。台湾では売上げの26.75%が公益収入となり、また、2000元以上の
賞金には20%の所得税が天引きされるため、総計で13億元(約47億円)の国庫収入になっ
たという。                              (編集部)


年の瀬の運試し
【12月30日 西日本新聞 特派員の目】

 春節(旧正月、2007年は2月18日)が正月本番の台湾では12月末は「年の瀬」の感覚が
ほとんどない。だが、この10日間ほど台湾中の話題をさらった宝くじ「大楽透」(大ロト)
は、ふた昔前の日本のジャンボ宝くじ騒動を思い起こさせて面白かった。

 1から49までの数字のうち6つの当たり数字を的中させれば一等という仕組み。連続し
て当たりが出ず一等賞金が5億台湾元(約18億2500万円)に近づいた今月中旬から人気も
報道もヒートアップ。今月は、南部の地震や総統娘婿の株不正事件判決などのニュースが
相次いだが、庶民の関心はいまひとつ。「恭喜発財」(お金もうけができますように)が
正月のあいさつ言葉である土地柄。本音での一番のニュースは、なんと言ってもこの宝く
じ。一面トップの新聞もあった。

 その一等が27日夜、とうとう出た。連続9回当たりくじなしで迎え、賞金は新記録の18
億7820万台湾元(約68億5500万円)。当てた3人が三等分し税引き後、1人5億台湾元を
手にするという。私も初チャレンジしたが、当然ながらスカ。投票用紙の裏に「理論上の
当たり確率は1398万分の1。買いすぎないように」と注意書きがあった。
                               (台北・遠矢浩司)



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