議において演説を行った4月29日、安倍総理の実弟で前外務副大臣をつとめた岸信夫・衆院議員が
萩生田光一・衆議院議員ら「日台若手議連」(自由民主党・日本台湾経済文化交流を促進する若手
議員の会)の一行12名とともに訪台した。
この訪台に先立つ4月24日、安倍総理は自民党の筆頭副幹事長で総裁特別補佐をつとめる日台若
手議連幹事長の萩生田光一・衆議院議員に日本食品の安全性を説明するよう指示。
中央通信社は、岸会長らは29日、「台中市の林佳龍市長と面会し、輸入規制問題などについて意
見を交換。翌30日に高雄市の陳菊市長と会談した際、規制強化の根拠について、より科学的で説得
力のあるデータを提示するよう台湾側に求めた」と伝えている。
なお、安倍総理は米国連邦議会上下両院の合同会議における演説で、台湾と中国を明確に弁別し
「1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本
と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました」と述べている。
世界が注目しているこのような場で、台湾の名を中国と並べて登場させることはこれまで見られ
なかったことだ。日本の主体性を全面的に打ち出した演説内容もさることながら、台湾を台湾とし
て表現した勇気に満腔の敬意を表したい。演説の動画とその全文を下記にご紹介する。
◆米国連邦議会上下両院合同会議における安倍内閣総理大臣演説【45分58秒】
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0429enzetsu.html
岸信夫氏が来台、日本食品に対する輸入規制の緩和求め/台湾
【中央通信社:2015年4月30日】
(台北 30日 中央社)自民党の岸信夫衆議院議員が29日、日本食品に対する輸入規制の緩和など
を求めるため、自身が会長を務める「日本・台湾経済文化交流を促進する若手議員の会」のメン
バーと共に台湾を訪問した。馬英九総統などと会談する。
岸氏は台湾到着後、台中市の林佳龍市長と面会し、輸入規制問題などについて意見を交換。翌30
日に高雄市の陳菊市長と会談した際、規制強化の根拠について、より科学的で説得力のあるデータ
を提示するよう台湾側に求めた。
来月2日までの滞在期間中、岸氏は馬総統のほか、李登輝元総統、王金平立法院長(国会議
長)、台湾の対日窓口機関・亜東関係協会の李嘉進会長、与野党主席などを表敬訪問する。
台湾は2011年の福島第1原発事故の発生以降、群馬などの5県で生産された食品の輸入を禁止。ま
た、来月15日からすべての日本産食品の都道府県ごとの産地証明、一部食品について放射性物質の
検査を義務付ける。規制強化について、日本側は科学的根拠に欠けるとして撤回を求めている。
(黄名璽/編集:杉野浩司)