尖閣諸島 台湾は冷静に問題処理を

【6月18日 読売新聞「社説」)

 台湾は中国と接近するあまり反日感情まで共有するようになったのか。こんな苦言の
ひとつも呈したくなる。

 台湾の遊漁船が、わが国の領土である尖閣諸島周辺の領海に侵入した。その際に海上
保安庁の巡視船「こしき」と衝突し、遊漁船は沈没した。

 台湾当局は事件処理よりも、尖閣の領有権保有の主張展開を優先させ、反日行動を煽
ってきた。

 そもそも尖閣諸島は、町村官房長官が改めて表明したように、「わが国固有の領土で
あることは論をまたず、歴史的にも国際法上も極めて自明のこと」だ。

 馬英九総統は17日、台湾の領有権を改めて主張したが、日本とは平和的に問題を解決
する姿勢も示した。反日感情をいたずらに刺激することなく、冷静に問題処理に当たる
べきだ。

 第11管区海上保安本部は、双方に過失があったと判断し、遊漁船の船長だけでなく、
巡視船「こしき」の船長も業務上過失往来危険などの疑いで書類送検した。

 日本の対台湾窓口である交流協会台北事務所の幹部が、台北県にある遊漁船の船長宅
まで出向き、遺憾の意を表明した。賠償は法令に基づいて対応すると伝えた。日本側の
措置は、冷静かつ妥当なものと言えよう。

 にもかかわらず、台湾当局は、事故後に抗議のため尖閣に向かった民間船を守ると称
し、巡視船を9隻も出動させ、日本の領海を2時間半にわたって侵犯した。

 日本との関係改善を望んでいる中国は、今のところ台湾の動きに本格的に同調する気
配を見せていない。一般の台湾住民も当局と一定の距離を置いているようだ。

 台湾当局の過剰とも言える反応の背景には、中国大陸出身者の多い与党・国民党が8
年ぶりに政権の座に返り咲き、本来の反日的な傾向を一段と強く押し出している側面が
ある。

 1972年の断交以来、最も良い状態と言われる日台関係を一方的に損なうような事態は、
避ける必要があるだろう。

 わが国は7月1日から「領海外国船舶航行法」を施行する。

 これまで人命救助など正当な理由がなく領海内にとどまり、示威行動する外国船舶に
適用できる明確な法令がなかった。今後は「立ち入り検査」や「退去命令」などが出せ
るようになる。違反者に対しては、刑事罰も適用される。

 日本の領海を侵犯する外国船舶は、日本側の対応の変化を認識しておくべきだろう。


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