安倍元総理の国葬で台湾は「指名献花」に

 安倍元総理の国葬には台湾からも招かれ、王金平、蘇嘉全、謝長廷の3氏が参列します。共同通信によれば「各国代表が献花する際に国名を読み上げる『指名献花』について、台湾を対象にする方向で調整に入った」とのことですが、民主党時代の2012年3月11日の東日本大震災の1周年追悼式で、台湾は一般席に座らされ、指名献花もできませんでした。

 翌年3月11日に国立劇場で政府主催による東日本大震災2周年追悼式が開かれ、安倍政権はこの追悼式典で台湾の待遇を見直し、昨年の一般席から外交使節団向けの来賓席とし、国名などを読み上げる指名献花に加えています。

 ところが、これに反発して中国「追悼式で台湾の関係者を外交使節や国際機構と同等に扱った」からという理由で厳粛な追悼式を欠席しました。なんとも子供じみた振る舞いであり、厳粛な追悼式に政治を持ち込むとは言語道断です。

 国葬を欠席する国会議員もしかりで、当時の中国と同じくはしたない礼儀をわきまえない振る舞いです。中国がどう対応するのかにあまり関心はありませんが、国葬という式典の厳粛性に意を払い、粛々と礼儀正しく参列していただくことを願っています。

 ちなみに、当時の安倍総理はこのような中国の対応に対し、フェイスブックで下記のようにつづっていました。

<昨年行われた慰霊式典では、台湾の代表は招待され出席していたにも関わらず名前すら読み上げられませんでした。 震災発生時、台湾は世界のどの国よりも多額の200億円を超える義援金を贈ってくれた大切な日本の友人です。台湾の人々の気持ちを傷つける非礼な対応でした。 今年はこの対応を改め、台湾に対し感謝の意を込めて「指名献花」をしていただくことにいたしました。 このことに対して中国が代表を送らなかったことは大変残念なことであります。 しかし私達はこれからも礼儀正しくありたいと思います。>【安倍晋三facebook:2013年3月11日】

—————————————————————————————–台湾、国葬で指名献花へ 政府調整、安倍氏と親交【共同通信:2022年9月24日】

 政府は27日の安倍晋三元首相の国葬を巡り、各国代表が献花する際に国名を読み上げる「指名献花」について、台湾を対象にする方向で調整に入った。台湾が正式名称とする「中華民国」ではなく「台湾」と呼ぶ方針。複数の政府関係者が24日、明らかにした。安倍氏が台湾側と親交を結んでいたことを考慮したとみられる。中国は人民政治協商会議の万鋼副主席が参列するとしているが、台湾を国扱いしたとして反発する可能性がある。

 台湾の指名献花を巡っては、2012年の東日本大震災追悼式で対象に含まれず、冷遇したとの批判を受けた当時の野田佳彦首相が国会で陳謝した。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。


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