世界保健機関(WHO)の最高意思決定機関であるWHO総会(世界保健総会、WHA)のスタートが今月20日に迫る中、中華民国(台湾)政府と民間の一致した努力により、国際社会では台湾のWHO総会参加を支持する声が高まり、台湾を勇気づけている。
米国、英国、日本、ドイツ、オーストラリアの政府関係者が相次いで台湾のWHO総会参加を支持する立場を表明したのに続き、カナダ駐台北貿易弁事処(台湾におけるカナダ大使館に相当)、フランス在台湾協会(台湾におけるフランス大使館に相当)、ドイツ在台湾協会(台湾におけるドイツ大使館に相当)、欧州連合(EU)も公の場で、台湾のWHO総会参加を支持すると表明している。ドイツやイタリアなどの欧米諸国は、行政だけでなく、立法機関もさまざまな方法で台湾のWHO総会参加を支持している。
カナダのクリスティア・フリーランド外務大臣(Chrystia Freeland)は4月9日、上院外交委員会での答弁で、カナダは台湾がWHO総会を含む国際的な多国間協議に意義ある参加を果たすことを支持すると述べた。カナダ駐台北貿易弁事処も5月10日、フェイスブックに「カナダは、台湾が国際的な多国間協議に意義ある参加を果たすことを一貫して支持している。例えばWHO総会は、グローバルな共通利益のために重要な貢献をするものだ。グローバルな保健課題は国境を超えるもので、台湾がこうした議論に参加することは、より良い世界を作るためにも重要なことだ」と書き込んだ。
また、フランス在台湾協会は、「フランスは前回開催されたWHOのエグゼクティブ・ボードでも明らかにしたように、台湾と技術や科学分野での交流を続けてこそ、保健課題への対応に地理的空白が生じるのを防ぐことが出来ると考えている。これは、世界の公衆衛生システムの運用に必要不可欠なことだ。フランス在台湾協会は台湾の医療分野での実績に敬意を払っている。世界の公衆衛生分野における台湾の貢献は非常に重要で、国際社会がそれによって受けるメリットは非常に大きい。このためフランスは、その他のパートナー国家と同様、台湾のWHO総会参加を支持する」と述べた。
欧州連合(EU)の報道官も最近、「関連の政策の目標と合致するという前提の下、EUは実務的な方法によって台湾の国際参与問題を解決することを支持する。それにはWHO及びその技術会合も含まれる。台湾がWHOに参加することは歓迎すべきであり、EU及び世界全体の利益にも合致するものだ」と述べた。
ドイツ国会の親台湾派グループの代表であるKlaus-Peter Willsch氏は今月8日、台湾のWHO総会参加についてドイツ連邦保健省のSabine Weiss副大臣に質問したところ、副大臣は「ドイツとしては、WHOは世界の保健課題に貢献しうる国に門戸を開くべきだと考えており、台湾によるWHO総会への意義ある参加を歓迎する」と発言した。ドイツ在台湾協会もフェイスブックで声明を発表し、ドイツはその他の国々と同じく、台湾のWHO総会参加を支持すると表明した。
このほか、イタリアの元老院(上院)議員で、イタリア国会の親台湾派グループの代表を務めるLucio Malan氏は今月3日、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長宛てに書簡を出し、台湾のWHO総会参加を認めるよう訴えた。書簡は、イタリアの親台湾派グループのメンバー全員が、台湾はWHOに対して具体的な貢献をする実力と決意を持つと信じており、テドロス事務局長が今年、台湾のWHO総会参加を支持してくれることを希望すると訴える内容だった。
チェコ国会の下院では今月10日、親台湾派グループの代表であるMarek Benda氏と下院議員のJakub Michálek氏らが発起人となり、合計55名の議員の連署で、WHOのテドロス事務局長宛てに台湾のWHO総会参加を支持するよう求める書簡を送った。この書簡は、台湾が近年、WHO総会に参加できないことで世界の感染症予防のネットワークに地理的空白が生まれているほか、台湾に住む2,300万人の住民は、世界の人々と平等に健康を享受する権利が奪われており、極めて不公平だと訴えるもの。Jakub Michálek議員はまた、ツイッターを通しても、「WHO関連の会議や活動への台湾の参加が不当な政治干渉によって妨害されている。チェコ国会は台湾に友好的な国々と共に、台湾が今年のWHO総会に参加できるよう支持したい」と表明した。
南米ペルーの国会は4月29日、親台湾派グループの責任者であるEsther Saavedra議員が発起人となり、親台湾派の議員51名の連署により、台湾がオブザーバーの身分でWHO総会に参加することを支持する旨の声明を発表した。このメンバーには、国会の副議長、外交委員会、保健委員会、対外貿易及び観光委員会、科学技術委員会、教育委員会、資源エネルギー委員会、文化委員会、風紀委員会などの代表、それに親台湾派グループの議員5名が含まれる。
台湾と近い理念を持つこれらの国々による正義感に基づいた発言は、極めて高い模範的効果を持つものだ。台湾のWHO総会参加が世界の人々にとって必要不可欠且つ非常に重要で、そうした考え方がすでに広く重視・支持されていることを示している。不当な政治力による妨害を受ければ受けるほど、台湾の人々の国際医療協力に対する決意は強くなる一方である。外交部(日本の外務省に相当)は、台湾が一日も早く、世界各国と協力してWHOが掲げる「すべての人に健康を(Health for All)」という崇高な目標を達成できることを願っている。