日台観光サミットは、日本観光振興協会、日本旅行業協会、台湾観光協会の三者でつくる「日台
観光推進協議会」が主催し、2008年から交互に開催している。日本川からは観光庁長官や開催県知
事、台湾側からは交通部觀光局局長など100名を超える関係者が一堂に会する。
第1回は台北市、第2回(2009年)は静岡市、第3回(2010年)は南投県、第4回(2011年)は石川
県金沢市、第5回(2012年)は花蓮県、第6回(2013年)は三重県志摩市、第7回(2014年)は屏東
県、第8回(2015年)は山形市、第9回(2016年)は宜蘭市で開催した。
そして来年の第10回は四国。香川県でサミットを開き、愛媛県で鉄道をテーマに新設する「鉄
道・観光フォーラム」を開く予定だという。
当初は100人規模で開催されていたが、今年5月20日に宜蘭で開いたサミットには日本から118
人、台湾から137人の計255人も参加し、規模は拡大傾向にある。当初の日台双方で300万人という
目標も、今やその倍の600万人になっている。
この日台観光サミットで、台湾側の牽引役をになってきたのが台湾観光協会。このほど東京事務
所所長の江明清氏が退任し、7月15日、その後任に所長補佐を務めてきた鄭憶萍氏が就任したとい
う。トラベルビジョンの記事を下記に紹介したい。
今後、日台間でますます重要な位置を占めてくると予想される台湾観光協会。鄭新所長の活躍に
期待したい。
台湾、新所長に鄭氏が就任、16年は10%増めざす
【トラベルビジョン:2016年7月20日】
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=73538
写真:日台観光推進協会のメンバ−。左2人目から志村氏、江氏、鄭氏
日台観光促進協会はこのほど、台湾観光協会東京事務所所長の江明清氏の退任と、所長補佐を務
めてきた鄭憶萍氏の所長就任にあたり、旅行会社などを招いて歓送迎会を開いた。冒頭で挨拶した
同協会会長で日本旅行業協会(JATA)理事長の志村格氏は、江氏が約13年の在任中に「日台観光サ
ミット」を立ち上げたほか、宝塚歌劇団の台湾講演などを実現させたことを説明。「優れたアイデ
アマンであり、また人柄がすばらしかった」と称賛した。
江氏は02年から東京事務所所長に就任。10年からは1年半ほど本局に戻っていたが、12年からは
再び東京事務所所長を務めていた。挨拶では、日本での15年間について「皆さまに本当に感謝して
いる」と語るとともに、15年などに実施した宝塚歌劇団の台湾公演を今後も開催したい考えを示し
た。
本誌に取材に応えた鄭氏は、16年の訪台日本人旅行者数の当初目標である前年比8%増の171万人
を、10%増に上方修正する考えを示した。1月から5月までの累計が19%増と好調に推移しているこ
とを受けたもので、「LCCの新規就航や、既存の航空会社の増便などにより、昨年よりも供給座席
が増えている」という。
旅行会社については「引き続き一緒にマーケットを盛り上げていきたい」とし、MICEなどのイベ
ントや団体旅行に対する費用の一部サポートなどを検討していることを説明。また、地方へのファ
ムツアーも継続する考えを示し、「台北以外の商品造成のヒントにしてほしい」と要望した。その
ほかには新たなマーケットの開拓に向け、ソーシャルメディアの活用も強化する方針を示した。
なお、地方への送客については志村氏も「日本の旅行業界は工夫しなくてはいけない」とコメン
ト。15年の訪日台湾人旅行者数が約360万人に上った一方で、訪台日本人旅行者数は約160万人にと
どまっていることを問題視するとともに、是正に向けて協会やJATAの活動を強化する考えを示し
た。