問題研究所代表の石川公弘氏が6月末に「台湾春秋」というブログを
はじめられたことを紹介しました。
その後も、ほぼ毎日書き続けられています。石川さんには『台湾
少年工と第二の故郷』という著書もあり、その関係深い台湾少年工
のことや、7月末に本会が横浜で開いた神奈川講演会のときには司会
をつとめていただきましたが、その感想などもこのブログでつづら
れています。
一度、たっぷりご紹介したいと思っていました。そこで、先般8月
10日、私ども日本李登輝友の会が小田村四郎会長以下、20名を越え
る理事や関係者約80名と一緒に蔡焜燦氏(台湾李登輝之友會全國總
會・台北会長)が靖国神社に参拝したことに縁し、2回にわたって
書かれていますのでご紹介いたします。
因みに、ブログ「台湾春秋」のキャッチコピーは「台湾は日本の
鏡です」。共感される方も少なくないのではないのでしょうか。蛇
足で加えるならまさに台湾と日本は合わせ鏡の関係にあります。
(編集部)
Yahooブログ「台湾春秋」
http://blogs.yahoo.co.jp/kim123hiro/archive/2005/8
台湾白色テロ受難者の話を聞く会
石川台湾問題研究所代表 石川公弘
司馬遼太郎の台湾紀行に、「老台北」として登場する蔡焜燦氏の
著書『台湾人と日本精神』に、「幌馬車の唄」という一節がある。
その一部を要約する。
2回目の取材で台湾においでになった司馬先生は、私に「蔡さん、
「幌馬車の唄」を歌えますか」と尋ねた。「はい、歌えます、昭和
7年の作品です」、私はすかさず答えた。
この唄は我々台湾人にとって忘れようとも忘れられない唄なのだ。
目の前の大作家は間違いなく、この唄の背景を知りつくしている…
…という思いが私を高揚させた。 「歌ってください……」、真剣
な眼差しで司馬先生は促した。
夕べに遠く木の葉散る
並木の道をはろばろと
君が幌馬車見送りし
去年の別れがとこしえよ
呼吸を整え、目を瞑り、私は心を込めて歌いあげた。その途中、
薄目を開けて司馬先生を見やれば、先生も同じように目を瞑って聴
いていた。
戦後、日本が台湾から去ると同時に、台湾は中華民国に接収され
てしまう。それは“祖国復帰”に名を借りた中国人による台湾の支
配だった。蒋介石政権は、日本統治時代に教育を受けた台湾のエリ
ート層を片っ端から抹殺した。
「幌馬車の唄」の悲しいストーリーはそんな時代に生れた。
台湾北部の基隆高級中学の鐘浩東校長が突如逮捕される。反体制
新聞の主筆という嫌疑で、その学校の生徒数名と共に連行されたの
だった。自ら死を覚悟していた鐘校長は、生徒たちに「僕が呼ばれ
たら獄内の人たちに、「幌馬車の唄」を歌ってくれるよう伝えてほ
しい」と頼んでいた。
その日が来ると、獄中の人々は、鐘校長の願い通り「幌馬車の唄」
を歌って彼を見送った。そのとき、涙を流しながらこの唄を歌って、
鐘校長に別れを告げた学生の一人が、私の実弟(蔡焜霖)である。
白色テロ受難者の話を聞く会 (蔡焜霖氏も講演されます)
2005年9月24日(土)1300−1800 参加費 1000円
早稲田大学 国際会議場 新宿区西早稲田1‐20−14
連絡先 三宅清子 Tel/Fax 046-251-8769
E-mail greencat280@yahoo.co.jp
(ブログ「台湾春秋」8月22日より)