台湾海峡がきな臭さを増している。
台湾の国防部は9月21日夜、「台湾周辺の空域に進入したり、台湾海峡の暗黙ライン『中間線』を越えたりした中国軍の航空機や艦艇に関する発表の中で、中国軍のミサイル部隊や中国福建省大[土呈]湾で活動する地上部隊の動向を監視していると明らかにした」と中央通信社は伝えるとともに「国防部が同様の発表の中で、同地上部隊の動向を監視していることを明らかにするのは初めて」と報じた。
NHKも「今回のように中国軍の地上部隊が配置されている場所を名指しして警戒を示すのは異例」と伝えている。
台湾の国防部は24日に「中国の航空機や艦艇、地上部隊が同日午前、中国福建省の東山大[土呈]湾地域で演習を行ったことを確認したと発表」し、中国人民解放軍の演習だったことを明らかにしたが、「中国軍の部隊が比較的大規模に集結した可能性のほか、中国軍の細かな動向を監視できていると台湾の市民に示す意図や把握している情報をあえて開示して中国軍の動きを抑止するねらい」(NHK)があったのではないかと理解されているという。
また、邱国正・国防部長が9月22日、立法院でメディアの問いかけに対し「最近の敵情は異常だ」との認識を示した際に「情報が米国から提供されたか否かの質問には、情報収集には多くの方法があり、自らの力で行う他、他者との交流もあると主張」(中央通信社)したとも伝えられ、中国メディアの環球時報は「米軍が台湾軍を米国の情報監視体制に組み入れ、米国側が台湾に軍事情報を提供している事実を示したことにほかならない」(Record China)とする中国の軍事専門家の見解を伝えている。
—————————————————————————————–中国軍の地上部隊が福建省・大[土呈]湾地区で演習=国軍「動向を厳密に把握」【中央通信社:2023年9月24日】https://japan.focustaiwan.tw/cross-strait/202309240005
(台北中央社)国防部(国防省)は24日、中国の航空機や艦艇、地上部隊が同日午前、中国福建省の東山大[土呈]湾地域で演習を行ったことを確認したと発表した。同部は国軍がさまざまな監視手段を用いて台湾海峡周辺の海空域の動向を厳密に把握するとともに、適切に対処したとしている。
専門家は、台湾の脅威は航空機と艦艇以外にも長距離ロケットやロケット軍が存在していると指摘。国軍は米軍を参考にし、海と空だけでなく陸からの脅威を監視する能力も持っていることを人々に知らせることで、敵軍に対しても「一挙一動を監視している」とのメッセージを伝えているのではと分析した。
同部は併せて、P3C対潜哨戒機の兵士が夜間整備や戦闘準備作業を行う様子の写真も公開した。
(游凱翔/編集:田中宏樹)
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