台湾のWHO加盟問題で朝鮮日報特派員が中国・韓国を批判するコラム

韓国のマスコミと言えば、日本人には強引さばかりが印象強くあまりいい印象はない
かもしれない。

 ところが、台湾のWHO加盟問題をめぐって、朝鮮日報の北京特派員氏の伝える記事
は至極まともなのに新鮮な驚きを覚えた。韓国にも具眼の新聞人はいたのである。中国
の姿勢をバッサリ斬り、返す刀で自らの国を斬っているのだ。       (編集部)


【記者手帳】「しみったれ」中国、「小憎らしい」韓国

                    北京=朴勝俊(パク・スンジュン)特派員

【4月22日 朝鮮日報Web版】

「台湾にWHO(世界保健機関)への加入資格はない」

 これは中国外務省の秦剛副報道局長が15日、日曜日の午後に急きょ発表した談話だ。
中国外務省の談話は通常、週に2回、火曜日と木曜日に発表される。休みの日に談話を発
表するのは、隣国・北朝鮮の核実験実施をはじめ非常事態が起きた時だけだ。にもかか
わらず中国外務省はこうした談話を発表し、国営新華社通信は16日の午前に拳ほどの大
きな文字で「台湾にWHOへの加入資格はない」と電子版に掲載した。

 「大国屈起」(大国としてそびえ立つ)という言葉を好んでよく使う中国だが、台湾
問題となるとひどく矮小な態度を示す。台湾のWHO加入は、SARS(重症急性呼吸器症候群)
や鳥インフルエンザといった新種の伝染病が発生・拡大した際、WHOと情報を共有し、台
湾の人口2300万人を保護しようという考えに端を発する。病気が政治や国境を越えて広
がるということは言うまでもない。台湾の加入が適当でないというなら、WHOオブザ
ーバー資格を与えるか、WHOの会議機構であるWHA(World Health Assembly=世界
保健総会)に参加させればよい。

 しかし、中国は政治的な理由で台湾がWHOに近付くことさえ許そうとはしない。今
回、中国外務省が急きょ談話を発表したのも、台湾の陳水扁総統が今月11日、昨年11月
に事務総長に就任した香港出身の陳馮富珍(マーガレット・チャン)WHO事務局長に
書簡を送ったことが明らかになったのが発端のようだ。大国としてそびえ立つべき巨人
・中国がしみったれた態度を取るのは傍で見ていて見苦しい。

 だが、問題なのは中国だけではない。韓国も中国に負けず劣らず台湾のWHO加入に
断固として反対している。一方米国も日本も、台湾のオブザーバー資格獲得に賛成の意
を表している。韓国外交部と言えば「1つの中国」の名の下に沈黙している。このため台
湾の人々から「叩く姑(しゅうとめ)より止めに入る小姑のほうが憎たらしい」と言わ
れるとは、何とも困ったものだ。



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