このような圧力のかけ方は「かえって中国への反感を引き起こしかねず、逆効果になる可能性もある」という報道が相次ぎ、案の定「台湾では中国に対する反発が広がっている」(時事通信)と報じられている。
それを証明するような世論調査が行政院大陸委員会から8月1日に発表された。その結果は下記の通りだ。
・中国が主張する「一国二制度」に賛成しない 88.7%
・台湾に対する武力行使の放棄を約束しない姿勢を「受け入れない」 87.8%
・台湾による国際的な活動や国際機関への参加を長期にわたって妨害していることに「賛同できない」 88.4%
・台湾社会の分断を図り浸透工作を行っていることを「認めない」 85.9%
・民主主義や主権を守り、圧力に屈しない蔡英文総統の姿勢を「支持する」 73.9%
・政府が自己防衛力を高めて一国二制度を拒否し、国家主権と台湾の民主主義を守るのを「支持する」 80.2%
・台湾人は国際社会に参加する権利があり、政治を前提とするいかなる干渉も受けるべきではないとする蔡総統の主張に「賛成する」 84.8%
・今後の両岸(台湾と中国)関係に関しては、「2300万人の台湾人が決める」 88.0%
・状況を見て独立か統一を決める、あるいは永遠に現在のままが良い「広義の現状維持」87.3%
いずれも中国の主張することと真逆である台湾人の意識がはっきりした。大陸委員会は、これが「台湾の共通認識」だと表明したという。下記に大陸委員会が発表したニュースリリースと中央通信社の記事をご紹介したい。
◆臺灣民意拒絶「一國兩制」、反對北京當局對臺軍事威脅及外交打壓的不友善作為 陸委會新聞稿編號第073號:8月1日https://www.mac.gov.tw/News_Content.aspx?n=B383123AEADAEE52&sms=2B7F1AE4AC63A181&s=EA08755D7E474FF5
—————————————————————————————–9割弱が中国の一国二制度に反対 大陸委「台湾の共通認識」【中央通信社:2019年8月2日】
(台北 2日 中央社)台湾の対中国政策を所管する大陸委員会が1日に発表した最新の意識調査で、中国が主張する「一国二制度」に賛成しない人が88.7%に上ることが分かった。同委は同制度を拒否するのはすでに「台湾の共通認識」となっており、台湾人は中国共産党(中共)による武力侵攻や外交圧力を決して受け入れないと強調した。
中国に関する設問では、台湾に対する武力行使の放棄を約束しない姿勢を「受け入れない」(87.8%)、台湾による国際的な活動や国際機関への参加を長期にわたって妨害していることに「賛同できない」(88.4%)、台湾社会の分断を図り浸透工作を行っていることを「認めない」(85.9%)などの結果となった。
一方、現政権については、民主主義や主権を守り、圧力に屈しない蔡英文総統の姿勢を「支持する」(73.9%)、政府が自己防衛力を高めて一国二制度を拒否し、国家主権と台湾の民主主義を守るのを「支持する」(80.2%)、台湾人は国際社会に参加する権利があり、政治を前提とするいかなる干渉も受けるべきではないとする蔡総統の主張に「賛成する」(84.8%)などとなった。
今後の両岸(台湾と中国)関係に関しては、「2300万人の台湾人が決める」が88%と大多数を占めた。また、状況を見て独立か統一を決める、或いは永遠に現在のままが良いなどとする「広義の現状維持」を望む声が87.3%に上った。
同委は、中国のいわゆる一国二制度はうそと見せかけだらけで、そのやり方は民主主義と平和に反する粗暴な行為であり、両岸の平和を壊す諸悪の根源だと強く批判。政府は国家主権と安全、台湾の自由と民主主義が侵犯されるのを絶対に許さないとし、一致団結して中共の政治的な企みを阻止しようと各界に呼び掛けた。
調査は同委の委託を受けた政治大選挙研究センターが7月25〜29日にかけて、台湾に住む20歳以上の男女を対象に電話で実施し、1095人から回答を得た。
(沈朋達/編集:塚越西穂)