昨6月13日付の産経新聞の7面と9面のそれぞれ全面を使って、日本から無償提供したワクチン124万回分への感謝公告が掲載されました。
7面は、桜の花びら2枚をあしらって、桜色の大きな文字「ありがとう日本 患難見真情(まさかの時の友こそ真の友)」。これは、金融機関の聯邦関連企業、大手紙の自由時報、総合不動産企業の瓏山林関連企業が協賛。
9面は、やはり桜の花びら4枚をあしらい、同じく桜色の大きな文字で「感謝 日本から124万回分のワクチンと勇気をもらいました これからも絆を深く」と記しています。その下には、「私たちはこれからも台日友好を推進します」として、126社の企業や団体名が3段にわたって並べられ、その中には日本の全日本台湾連合会(趙中正会長)や日本台湾医師連合会(宮田功健会長)などの名も見えています。企画は台湾傳統基金會と台湾櫻花返郷會。
この新型コロナウイルスのパンデミックでは、台湾政府から200万枚に及ぶ医療用マスクを提供され、その他にも都市間提携している自治体、交流を続けているライオンズクラブやロータリークラブなどからもマスクやフェイスシールドなどの防疫グッズをたくさん提供していただきました。その点で、ワクチンは恩返しの一端にもかかわらず、このような感謝公告を出していただくのは面映ゆい思いがします。
中央通信社は「この他、より多くの日本人に台湾からの感謝の声を届けるため、東京駅構内に壁面広告を掲示しようと、台湾在住の日本人がクラウドファンディングで資金を募っている」ことを伝え、すでに目標金額を超えて集まり、「壁面広告は今年7〜8月に掲示される予定」だそうです。
—————————————————————————————–台湾発「ありがとう日本」ワクチン提供に産経新聞広告で【産経新聞:2021年6月13日】https://www.sankei.com/article/20210613-KMKLKJWFKZIIZE3UBHQCMFPXCU/?290992
13日付の産経新聞に「ありがとう日本!」などと題した2枚の全面広告が掲載された。新型コロナウイルスワクチン124万回分を台湾に無償提供した日本政府と国民に対し、感謝の気持ちを伝えるため、約130の台湾系企業、団体などが共同出資して掲載されたものだ。
「台湾人有志一同」と署名された一枚の広告は、「患難見真情」(まさかの時の友こそ真の友)ということわざを引用し、台湾が困っていたときに迅速に救いの手を差し伸べた日本に対し、台湾民衆の素直な感謝や、コロナ禍の後、日本の友人と早く再会したい気持ちが込められているという。
金融機関の聯邦銀行グループ、大手紙、自由時報グループ、総合不動産企業、瓏山林グループが協賛した。聯邦銀行の林鴻聯頭取は「ワクチンを提供してくれたことに対し、私たち台湾人は本当にありがたく思っている事を日本の皆さんに知ってほしい」と思いを語った。
一方、台湾を代表する動物「黒熊」が登場する2枚目の「感謝」の広告は、財団法人、台湾伝統基金会の呼びかけに応じ、わずか4日で126社の企業や団体が集まった。IT企業、証券会社、病院、学術団体、スポーツ関連団体など業種は多岐にわたり、日本や米国の台湾系企業、団体も複数参加した。
これらの企業と団体は、今回の広告を通じて、ワクチン提供への感謝とともに、これからも日本と友好関係を推進したい気持ちを日本の読者に伝えようとしているという。(台北 矢板明夫)
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